資産の取り崩し

退職金の手取りシミュレーション

退職金は税制上とても優遇されています。しかし 申告書1枚を出し忘れるだけで、手取りが数百万円変わることがあります。 このツールは税額と手取りに加えて、申告書を出さなかった場合確定拠出年金の一時金と重なった場合企業年金で分割して受け取った場合の3つを並べて比べます。

制度基準日 2026-09-09

退職金の条件

この2つだけで税額と手取りが出ます

1年未満は切り上げます

確定拠出年金の一時金・企業年金との比較

該当するものだけ入れてください。

同じ退職所得控除の枠を使います

退職金との年齢差で、控除の重複調整の要否が決まります


一時金との比較に使います。0なら比較しません

企業年金と合算して課税されるため、税額に影響します

健康保険料・介護保険料の前提

一時金と企業年金の比較にだけ使います。一時金(退職所得)は分離課税なので 保険料の算定基礎に入りませんが、企業年金は入ります。

国民健康保険+介護保険のおおよその合計

%

入力内容は計算のためだけに使われ、サーバーへ送信も保存もされません。

退職金の手取り

20,000,000円

税(所得税+住民税)

0円

実効税率

0.0%

退職所得控除

20,600,000円

課税退職所得

0円

所得税(復興特別を含む)

0円

住民税

0円

初期表示はサンプル条件(退職金2,000万円・勤続38年・60歳)による試算です。

⚠️ 注意

  • 同じ額を企業年金で10年に分けて受け取ると、税と社会保険料で手取りが818,000円 少なくなります。退職所得は分離課税で他の所得と合算されず、健康保険料・介護保険料の算定基礎にも入らないためです。
  • 退職金は分離課税ですが、退職した年の給与にかかる住民税は翌年に納めます。退職後に収入が下がってから前年分の住民税を請求されるため、手取りから取り分けておいてください。
  • 65歳以降は国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料が年金から天引きされます。保険料は「所得に比例する部分」と「定額部分」でできており、年金が増えれば保険料も増えます。料率・定額・上限は自治体で大きく変わるため、お住まいの自治体の保険料試算に置き換えてください。

申告書1枚で、手取りはこれだけ変わる

「退職所得の受給に関する申告書」を出さないと、退職所得控除も1/2課税も使われず、 支給額の全体に 20.42% が源泉徴収されます。

申告書を出した場合の手取り 20,000,000円
出さなかった場合の源泉徴収額 4,084,000円
出さなかった場合の手取り 15,916,000円
確定申告をすれば戻る額 4,084,000円

出し忘れても確定申告で取り戻せますが、申告しなければ戻りません。 退職時にこの1枚を必ず提出してください。

一時金と企業年金、どちらが手取りが多いか

退職所得は分離課税で健康保険料・介護保険料の算定に入りませんが、 企業年金は雑所得として合算され、保険料にも影響します。

受け取り方 社会保険料 手取り 課税の扱い
一時金でまとめて受け取る 0円 20,000,000円 退職所得(分離課税)。翌年の健康保険料・介護保険料の算定に入らない
企業年金として10年で受け取る 348,000円 470,000円 19,182,000円 公的年金等の雑所得。他の所得と合算され、健康保険料・介護保険料にも影響する

一時金の有利さ(マイナスなら年金が有利): 818,000円

勤続年数による違い

同じ退職金額でも、勤続年数が長いほど控除が大きく、税が小さくなります。

勤続年数 退職所得控除 課税退職所得 手取り
5年 2,000,000円 16,500,000円 5,641,089円 14,358,911円
10年 4,000,000円 8,000,000円 2,029,284円 17,970,716円
15年 6,000,000円 7,000,000円 1,694,454円 18,305,546円
20年 8,000,000円 6,000,000円 1,388,723円 18,611,278円
25年 11,500,000円 4,250,000円 856,373円 19,143,628円
30年 15,000,000円 2,500,000円 405,703円 19,594,298円
35年 18,500,000円 750,000円 113,288円 19,886,713円
38年 20,600,000円 0円 0円 20,000,000円
40年 22,000,000円 0円 0円 20,000,000円

この数字をどう読むか

退職金は、税制上いちばん優遇されている収入

同じ2,000万円でも、給与として受け取るのと退職金として受け取るのでは手取りがまったく違います。 退職金には3段構えの優遇があるからです。

  1. 退職所得控除… 勤続20年までは1年40万円、20年超は1年70万円。勤続38年なら2,060万円
  2. 1/2 課税… 控除を引いたあと、さらに半分にしてから税率を掛ける
  3. 分離課税… その年の給与や年金と合算されないので、税率が押し上げられない

長く勤めた人ほど控除が大きく、勤続38年で2,000万円なら税額はゼロになります。 「退職金には税金がかからなかった」と言われるのは、この構造のためです。

ただし、その優遇は「申告書」を出した人にだけ適用される

退職所得控除も1/2課税も、「退職所得の受給に関する申告書」を勤務先へ提出して初めて 適用されます。出さないと、支給額の全体に一律の税率で源泉徴収されます。 2,000万円なら400万円以上が天引きされます。

払いすぎた分は確定申告をすれば戻ります。しかし 申告しなければ戻りません。退職時にはさまざまな書類が回ってきますが、 この1枚は必ず出してください。上の比較表で、出す場合と出さない場合の差額を確認できます。

分離課税であることの、見落とされがちな価値

退職所得が他の所得と合算されないということは、税率が上がらないだけではありません。 翌年の国民健康保険料・介護保険料の算定基礎にも入らないということです。

同じ額を企業年金として分割で受け取ると、こちらは公的年金等の雑所得として合算され、 税だけでなく保険料も増えます。上の「一時金と企業年金」の比較で、 社会保険料の欄に金額が出ているのはこのためです。 年金受取の判断を税額だけで行うと、この分を見落とします。

確定拠出年金と重なると、控除の枠を食い合う

退職所得控除の枠は「勤続年数」で決まりますが、iDeCo や企業型DC の一時金も 同じ枠を使います。近い時期に両方を受け取ると、勤続期間と加入期間の重複部分が 控除の年数から除かれ、それぞれで枠を使い切ることができません

受け取る時期を十分に離せば、それぞれで枠を使えます。上の入力で 「確定拠出年金を受け取る年齢」を動かして、税額がどう変わるかを試してください。 iDeCo 側から見た同じ論点は iDeCo・企業型DCシミュレーションで 扱っています。

退職の翌年に来る住民税を、先に取り分けておく

退職金にかかる住民税は退職時に精算されます。しかし その年の「給与」にかかる住民税は翌年に納めます。 退職して収入が下がったあとに、働いていた年の所得に対する請求が届くわけです。 金額は年収によっては数十万円になります。手取りが確定したら、 住民税分を別に取り分けておいてください。 国民健康保険料も、前年の所得で決まるため退職翌年が最も高くなります。

この試算が扱っていないこと

  • 同じ年に2か所以上から退職手当等を受け取る場合の合算(本ツールは確定拠出年金との調整のみ)
  • 前年以前4年内(確定拠出年金は9年内)に受けた他の退職手当等との調整の詳細
  • 退職の翌年にかかる住民税・国民健康保険料そのものの金額
  • 企業年金の予定利率による増加分(一時金と年金の比較は同額を前提としています)
  • 早期退職の割増金・解雇予告手当は退職所得に含まれますが、税制優遇の要件は個別に異なります

あわせて確認したいこと

手取りが確定したら、 老後資金・資産寿命シミュレーションに その額を入れて、資産が何歳まで持つかを確認してください。 年金の受け取り方は 老齢年金の繰上げ・繰下げシミュレーションで 比べられます。退職金を運用に回すかどうかを考えるなら、まず 家計収支シミュレーションで 生活防衛資金の目安を出してからにしてください。

よくある質問

「退職所得の受給に関する申告書」とは何ですか?

退職金を受け取るときに勤務先へ提出する書類です。これを出すと、退職所得控除と2分の1課税が適用されたうえで正しい税額が源泉徴収され、原則として確定申告は不要になります。出さないと控除も2分の1課税も使われず、支給額の全体に20.42%が源泉徴収されます。払いすぎた分は確定申告で戻りますが、申告しなければ戻りません。

退職所得控除はいくらですか?

勤続20年までは1年あたり40万円(最低80万円)、20年を超える部分は1年あたり70万円です。勤続38年なら2,060万円になります。1年未満の端数は切り上げます。障害者になったことが直接の原因で退職した場合は100万円が加算されます。

退職金は他の所得と合算されますか?

合算されません。退職所得は分離課税で、その年の給与や年金とは別に計算されます。このため退職金を受け取ってもその年の所得税率は上がらず、翌年の国民健康保険料・介護保険料の算定基礎にも入りません。同じ額を企業年金として分割で受け取ると雑所得となり、合算されて保険料にも影響します。

確定拠出年金の一時金と同じ時期に受け取るとどうなりますか?

退職所得控除の枠を食い合います。近い時期に受け取ると勤続期間と加入期間の重複部分が控除の年数から除かれ、それぞれで枠を使い切ることができません。本ツールは受け取る年齢の差から調整の要否を判定します。受け取る時期を十分に離せば、それぞれで枠を使えます。

勤続5年以下だと不利になるのですか?

はい。役員等以外の方は、退職所得控除を引いたあとの金額のうち300万円を超える部分について2分の1課税が使えません(短期退職手当等)。役員等で勤続5年以下の場合は、2分の1課税が全く使えません(特定役員退職手当等)。転職を繰り返す場合や役員任期が短い場合は影響が大きくなります。

退職した年の住民税はどうなりますか?

退職金にかかる住民税は分離課税で退職時に精算されますが、その年の給与にかかる住民税は翌年に納めます。退職して収入が下がったあとに前年分の請求が来るため、資金を取り分けておかないと苦しくなります。多くの人がつまずく点なので、手取りが確定したら住民税分を先に確保してください。

入力した内容は保存されますか?

保存しません。計算はすべてお使いのブラウザの中で完結し、入力した退職金の額が当社のサーバーへ送信されることはありません。ページを閉じると入力内容は消えます。

計算に使った制度の出典

制度基準日 2026-09-09。税制改正により変わることがあります。

関連する用語

関連する記事で学ぶ

数字を「読む力」を体系的に

試算のその先へ ― 投資の判断軸を学ぶ

シミュレーションは「条件を変えると結果がどう動くか」を掴む道具です。相場の局面に応じてどう積み立て、いつ見直すか―― その判断軸は、体系立てて学ぶことで身につきます。所得向上委員会の講座で、数字の背景にある考え方を深めてみませんか。

関連シミュレーション

資産形成

複利・積立シミュレーション

将来資産額・運用益・年次推移・利回り別比較

計算する →
資産形成

新NISA積立シミュレーション

NISA資産額・非課税メリット・生涯枠の残り

計算する →
不動産投資

不動産ローン返済シミュレーション

毎月返済額・総返済額・総利息・返済予定表

計算する →
不動産投資

不動産投資利回りシミュレーション

表面/実質利回り・NOI・自己資金利回り

計算する →
不動産投資

不動産投資キャッシュフローシミュレーション

年次CF・DSCR・損益分岐入居率・売却手残り

計算する →
資産の取り崩し

老後資金・資産寿命シミュレーション

資産寿命・毎月使える金額・年次残高・現在価値・シナリオ比較

計算する →
家計・収支

年収別 手取りシミュレーション

手取り額(年/月)・社会保険料と税の内訳・制度別の節税額・年収別の早見表

計算する →
税金・控除

ふるさと納税の控除上限額シミュレーション

自己負担2,000円で収まる寄附額の上限・控除の3階建ての内訳・上限額を動かしている項目・年収別の早見表

計算する →
家計・収支

家計収支シミュレーション

黒字か赤字か・黒字率・年1回支出の月割り・全国平均との差・生活防衛資金の目安

計算する →
資産運用・ポートフォリオ管理

資産配分・リバランスシミュレーション

配分のずれ・目標への売買額・追加投資だけで調整する購入額・最低追加資金

計算する →
家計・収支

年収の壁シミュレーション

世帯の手取り・壁の位置・働くほど手取りが減る区間・取り返すのに必要な年収

計算する →
資産形成

iDeCo・企業型DCシミュレーション

掛金の節税額・運用益の非課税メリット・受け取るときの税・受け取り方別の手取り

計算する →
教育・ライフイベント

教育資金シミュレーション

年ごとの教育費とピークの年・不足が出る年・必要な毎月の積立額・進路別の総額

計算する →
ローン・住まい

住宅ローン返済シミュレーション

毎月返済額・総利息・返済比率・未払利息の有無・控除を引いた実質負担・繰上返済の効果

計算する →
資産の取り崩し

老齢年金の繰上げ・繰下げシミュレーション

年金の手取り・額面と手取りそれぞれの損益分岐年齢・受給開始年齢別の累計・在職老齢年金による停止額

計算する →
税金・控除

相続税シミュレーション

土地の評価額と小規模宅地等の特例による減額・課税価格・相続税額・二次相続まで含めた合計と最適な取得割合

計算する →

参考資料

このツールの計算に用いている制度の数値は、以下の一次資料にあたって確認しています。 制度は年度ごとに変わるため、実際の手続きの前に最新の内容をご確認ください。

  1. No.1420 退職金を受け取ったとき(退職所得) (国税庁)
  2. No.2732 退職手当等に対する源泉徴収 (国税庁)
  3. No.1600 公的年金等の課税関係 (国税庁)

⚠️ ご利用にあたっての注意(免責事項)

  • 試算結果は、入力した条件に基づく概算です。将来の運用成果・賃料・金利・売却価格などを保証するものではありません。
  • 税金・社会保険料・各種制度を完全には反映していない場合があります。
  • 金融機関の融資審査の結果を保証するものではありません。
  • 本ツールは特定の金融商品・不動産の購入を勧めるものではなく、個別の投資助言ではありません。
  • 契約・投資の最終判断は、利用者ご自身の責任で行ってください。必要に応じて、税理士・FP・金融機関・不動産の専門家等へご確認ください。
  • 入力内容は計算のためにのみ使用され、サーバーやデータベースには保存されません。
講座を見る → 無料ガイドを受け取る