年収の壁シミュレーション
「いくらまで働くと損か」は、本人の手取りだけを見ても答えが出ません。壁の正体は 世帯主側の控除の減りと配偶者手当の打ち切りにもあるからです。 このツールは本人と世帯主の税・社会保険料を両方計算し、 世帯の手取りが逆転する区間と、 元の水準に戻すのに必要な年収を出します。
令和8年分(2026年)の税・社会保険料で計算(制度基準日 2026-11-01)
⚠️ 入力の前提
対象は配偶者(いわゆるパートの壁)です。19〜22歳のお子さまのアルバイトは 控除の仕組みが異なるため対象外です。年収は額面で入力してください。
月額8.8万円以上という賃金要件(いわゆる106万円の壁)は2026年10月に撤廃されました。いまは週20時間以上・学生でないこと・勤務先の規模(従業員51人以上)などで加入が決まり、年収の額では判定されません。企業規模要件は段階的に引き下げられ、2027年10月に36人以上、2029年10月に21人以上、2032年10月に11人以上、2035年10月にはすべての企業が対象になる予定です。最低賃金の減額特例を受けて月8.8万円未満となる方は、当分のあいだ加入対象外(任意加入は可能)です。お勤め先が対象かどうかは勤務先へご確認ください。
世帯の手取り(年)
5,883,827円
勤務先の社会保険に加入
あなたの手取り
1,009,000円
世帯主の手取り
4,694,827円
配偶者手当(年)
180,000円
配偶者控除による世帯主の減税
71,798円
あなたの社会保険料
186,000円
あなたの税(所得税+住民税)
5,000円
初期表示はサンプル条件(本人120万円・週20時間・従業員51人以上、世帯主600万円・手当月1.5万円)による試算です。
働くほど世帯の手取りが減る区間があります
中途半端に超えるといちばん損をします。越えるなら「戻る年収」まで働くことを先に決めておくと、迷いが減ります。
⚠️ 注意
- 年収1,300,000円のあたりから世帯の手取りが下がり、1,320,000円で最大 163,100円 少なくなります。元の水準に戻すには、年収を1,540,000円(+240,000円)まで上げる必要があります。
- 勤務先の社会保険に加入する前提です。手取りは減りますが、厚生年金に入ることで将来の年金額が増え、傷病手当金なども受けられます。損得は手取りだけでは決まりません。
年収と世帯の手取りの関係
あなたの年収を2万円刻みで振り替えた場合の世帯手取りです。下がっている区間が「壁」です。
JavaScript が無効な場合、グラフは表示されません。下の表で同じ内容を確認できます。
この条件での壁の位置
税がかかり始める年収は、いま設定されている控除額から計算しています。呼び名ではなく実際の境目です。
| 年収 | 何が起きるか | 説明 |
|---|---|---|
| 1,180,000円 | 住民税の所得割がかかり始める | 住民税の所得割がかかり始める年収です。これとは別に均等割(年5,000円)があり、その非課税限度額は自治体ごとに違うため本ツールでは扱っていません。 |
| 1,300,000円 | 被扶養者から外れる(130万円の壁) | 勤務先の社会保険に入らないままこの年収を超えると、国民年金と国民健康保険を自分で納めることになります。落ち込みが最も大きい壁です。 |
| 1,300,000円 | 配偶者手当が止まる | 勤務先の支給条件で決まります。年間180,000円が一度になくなるため、制度の壁より大きく効くことがあります。 |
| 1,360,000円 | 配偶者控除が配偶者特別控除に切り替わる | ここを超えても控除が急になくなるわけではなく、配偶者特別控除へ移って段階的に減っていきます。世帯主の税が少しずつ増えます。 |
| 1,790,000円 | 所得税がかかり始める | 本人に所得税がかかり始める年収。給与所得控除と基礎控除の合計を超えた分に課税されます。 |
| 2,020,000円 | 配偶者特別控除がなくなる | 世帯主側の配偶者に関する控除がゼロになる年収です。 |
年収別の世帯手取り
世帯主の年収・手当の条件はそのまま、あなたの年収だけを振り替えた場合です。
| あなたの年収 | あなたの手取り | 世帯主の手取り | 配偶者手当 | 世帯の手取り | 節目 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1,000,000円 | 834,876円 | 4,694,827円 | 180,000円 | 5,709,703円 | — |
| 1,180,000円 | 992,100円 | 4,694,827円 | 180,000円 | 5,866,927円 | 住民税の所得割がかかり始める |
| 1,200,000円 | 1,009,000円 | 4,694,827円 | 180,000円 | 5,883,827円 | — |
| 1,300,000円 | 1,093,500円 | 4,694,827円 | 180,000円 | 5,968,327円 | 被扶養者から外れる / 配偶者手当が止まる |
| 1,360,000円 | 1,144,200円 | 4,694,827円 | — | 5,839,027円 | 配偶者控除の上限 |
| 1,500,000円 | 1,255,300円 | 4,694,827円 | — | 5,950,127円 | — |
| 1,600,000円 | 1,331,300円 | 4,694,827円 | — | 6,026,127円 | — |
| 1,790,000円 | 1,475,850円 | 4,685,680円 | — | 6,161,530円 | 所得税がかかり始める |
| 1,800,000円 | 1,483,400円 | 4,675,575円 | — | 6,158,975円 | — |
| 2,000,000円 | 1,629,500円 | 4,629,092円 | — | 6,258,592円 | — |
| 2,020,000円 | 1,645,400円 | 4,623,029円 | — | 6,268,429円 | 配偶者特別控除がなくなる |
この数字をどう読むか
税の壁は「段差」ではない。社会保険の壁だけが段差になる
所得税も住民税も、超えた分にだけかかります。年収が1万円増えて課税対象が1万円増えても、 税は1万円分の税率相当しか増えません。税の壁を越えて手取りが減ることはありません。
段差を作るのは社会保険です。保険料は「超えた分」ではなく 収入全体に対して かかるため、境目を超えた瞬間に年十数万円の負担が発生します。上のグラフで 線が落ち込んでいるのは、ほぼすべてこの社会保険の境目です。
「106万円の壁」は撤廃された。いま残る社会保険の壁は2つの境目
勤務先の社会保険に入るかどうかを分けていた賃金要件(月8.8万円=年収106万円相当)は、2026年10月に撤廃されました。いまは年収の額ではなく、週の所定労働時間が20時間以上か、学生でないか、勤務先の規模(現時点で従業員51人以上、今後段階的に引き下げ)で決まります。結果は、どちらに当たるかで大きく変わります。
- 勤務先の社会保険に入る場合… 年収にかかわらず、要件を満たした時点から加入します。保険料の半分は会社が 負担します。手取りは減りますが、厚生年金に入るぶん将来の年金が増え、 傷病手当金なども受けられるようになります。
- 勤務先の社会保険の対象にならないまま、被扶養者から外れる場合(130万円の壁)… 国民年金と国民健康保険を 全額自分で 納めます。会社の負担もなく、 将来の年金が増えるわけでもありません。落ち込みが最も深く、しかも見返りが最も小さい形です。
つまり「勤務先の社会保険の対象外のまま130万円を少しだけ超える」がいちばん避けたい状態です。避け方は2つ。 手前で止めるか、勤務時間を増やして勤務先の社会保険に入るかです。 勤務先の従業員数と週の所定労働時間を変えて、結果がどう動くか試してみてください。 なお、最低賃金の減額特例を受けて賃金が月8.8万円未満となる方は、当分のあいだ加入対象外です(任意加入は可能)。本ツールではこの特例は扱っていません。
壁の半分は、あなたではなく世帯主側で起きている
あなたの年収が上がると、世帯主が受けていた 配偶者(特別)控除 が減っていきます。これはあなたの手取りではなく、世帯主の手取りを減らします。 自分の給与明細だけを見ていても気づけないのはこのためです。
ただし配偶者特別控除は段階的に減る設計なので、こちらは急な段差にはなりません。 むしろ効くのは 配偶者手当 です。勤務先が独自に支給するもので、 支給条件を1円でも超えると一度になくなります。月2万円なら年24万円。 制度上のどの壁よりも大きく効くことがあります。就業規則を確認して入力してください。
「損か得か」を手取りだけで決めない
厚生年金に加入すると、その期間ぶん将来の 老齢厚生年金 が増えます。増えた年金は生きているあいだ受け取り続けるものなので、 目先の手取りの減少と単純には比べられません。健康保険の被保険者になれば 傷病手当金・出産手当金の対象にもなります。
このツールが出すのは いまの年の手取り です。それだけが判断材料ではない、 ということを前提に読んでください。数字が答えを出してくれるのは 「どこが谷か」「谷を越えるにはいくら必要か」までです。
越えるなら、どこまで働くかを先に決める
壁の手前で止めるのは合理的な選択です。しかし中途半端に越えるのは、 いちばん損な選択になります。上の「元の水準に戻る年収」は、 越えると決めたときに最低限めざすべき水準です。
そこまで働けないなら手前で止める。そこまで働けるなら一気に越える。 この二択で考えると、迷いが減ります。
この試算が扱っていないこと
- 「2か月を超えて雇用される見込み」などの細かな加入要件や、最低賃金の減額特例は判定に含めていません(加入の有無は「社会保険への加入」で上書きできます)
- 社会保険料は標準報酬月額の等級に丸めず、月額(年収÷12)に上下限だけを当てた概算です
- 賞与と月給を分けていません(標準賞与額の上限は反映していません)
- 住民税の均等割の非課税限度額は自治体ごとに違うため扱っていません
- 国民健康保険料は入力値をそのまま使います。自治体の試算に置き換えてください
- 厚生年金に加入することで増える将来の年金額は、手取りに含めていません
- 19〜22歳のお子さまの扶養(特定親族特別控除)は対象外です
あわせて確認したいこと
働き方を決めたら、その手取りで家計が回るかを 家計収支シミュレーションで確かめ、 手取りの内訳をもう一段細かく見たいときは 年収別 手取りシミュレーションを、 社会保険に入って厚生年金が増える効果を老後まで通して見たいときは 老後資金・資産寿命シミュレーションをご利用ください。
よくある質問
「年収の壁」はいくつあるのですか?
壁は税の壁と社会保険の壁に分かれます。税の壁は本人に所得税・住民税がかかり始める年収と、世帯主の配偶者控除・配偶者特別控除が減っていく年収です。社会保険の壁は、配偶者の被扶養者から外れる年収(130万円)です。勤務先の健康保険・厚生年金への加入は、かつての賃金要件(月8.8万円=106万円の壁)が2026年10月に撤廃されたため、年収ではなく週の労働時間・学生でないか・勤務先の規模で決まります。金額は制度改正のたびに動くため、本ツールは呼び名ではなく、いま設定されている控除額から実際の境目を計算して表示します。
いちばん影響が大きい壁はどれですか?
社会保険の壁です。税の壁は超えた分にだけ課税されるため、手取りが急に減ることはありません。一方、社会保険は加入すると保険料が一度に発生するため、年収を少し増やしただけで手取りが十数万円下がることがあります。とくに勤務先の社会保険の対象にならないまま被扶養者から外れると、国民年金と国民健康保険を全額自分で納めることになり、落ち込みが最も大きくなります。
社会保険に入ると損なのですか?
手取りだけを見れば減りますが、損得は手取りだけでは決まりません。厚生年金に加入すると将来受け取る年金が増え、傷病手当金や出産手当金も受けられるようになります。保険料の半分は会社が負担します。数年で取り返せるかどうかは加入期間と年収によるため、目先の手取りと将来の保障の両方で判断してください。
配偶者手当(家族手当)はなぜ壁になるのですか?
配偶者手当は勤務先が独自に支給するもので、支給条件も勤務先が決めます。多くは配偶者の年収が一定額を超えると支給が止まり、しかも段階的にではなく一度になくなります。月2万円の手当なら年24万円が一気に消えるため、制度上の壁より大きく効くことがあります。就業規則で支給条件を確認して入力してください。
壁を越えたら、いくらまで働けば元に戻りますか?
本ツールは年収を2万円刻みで振り替えて世帯の手取りを並べ、下がり始める年収と、元の水準に戻る年収を表示します。中途半端に超えるといちばん損をするため、越えるならどこまで働くのかを先に決めておくことをおすすめします。
大学生の子どものアルバイトにも使えますか?
本ツールは配偶者を対象としています。19歳以上23歳未満のお子さまについては、扶養控除がなくなったあとに控除が段階的に減る別の制度があり、配偶者特別控除とは表が異なります。大学生のアルバイトについては関連記事をご覧ください。
入力した内容は保存されますか?
保存しません。計算はすべてお使いのブラウザの中で完結し、入力した年収が当社のサーバーへ送信されることはありません。ページを閉じると入力内容は消えます。
計算に使った制度の出典
- 厚生労働省「短時間労働者の社会保険(健康保険・厚生年金保険)の加入拡大のポイント」(令和8年1月作成)
- 日本年金機構「社会保険の適用拡大(短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用拡大)」
- 全国健康保険協会「被扶養者とは?」
- 日本年金機構「国民年金保険料」
- 国税庁「No.1191 配偶者控除」
- 国税庁「No.1195 配偶者特別控除」
- 厚生労働省「年収の壁・支援強化パッケージ」
制度基準日 2026-11-01。税制改正・社会保険の適用拡大により変わることがあります。
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このツールの計算に用いている制度の数値は、以下の一次資料にあたって確認しています。 制度は年度ごとに変わるため、実際の手続きの前に最新の内容をご確認ください。
- 社会保険の適用拡大(短時間労働者への適用拡大) (日本年金機構)
- 被扶養者とは? (全国健康保険協会)
- No.1195 配偶者特別控除 (国税庁)
- 年収の壁・支援強化パッケージ (厚生労働省)
⚠️ ご利用にあたっての注意(免責事項)
- 試算結果は、入力した条件に基づく概算です。将来の運用成果・賃料・金利・売却価格などを保証するものではありません。
- 税金・社会保険料・各種制度を完全には反映していない場合があります。
- 金融機関の融資審査の結果を保証するものではありません。
- 本ツールは特定の金融商品・不動産の購入を勧めるものではなく、個別の投資助言ではありません。
- 契約・投資の最終判断は、利用者ご自身の責任で行ってください。必要に応じて、税理士・FP・金融機関・不動産の専門家等へご確認ください。
- 入力内容は計算のためにのみ使用され、サーバーやデータベースには保存されません。