資産の取り崩し

老齢年金の繰上げ・繰下げシミュレーション

繰下げの損益分岐年齢は、たいてい額面で語られます。 しかし実際に手元に残るのは、税と社会保険料を引いたあとの額です。 年金が増えれば所得税も国民健康保険料も介護保険料も増えるため、 手取りの分かれ目は額面より後ろにずれます。このツールは 額面と手取りの両方で損益分岐年齢を出します。

制度基準日 2026-09-09

まず、ご自身の年金見込額を確認してください

年金額は加入記録で決まるため、正確な見込額はご自身の記録からしか出せません。 下の3つで確認し、その金額を入力すると、このツールの試算がぐっと正確になります。

まだ確認していない場合は、下の「概算で出す」で桁を掴んでから確認しても構いません。 ただし概算は加入履歴を単純化したもので、経過的加算・加給年金・特別支給の老齢厚生年金を含みません。

年金額の入れ方

ねんきんネットの数字があるなら、上を選んでください

年金額の入れ方

65歳から受け取る場合の額

65歳から受け取る場合の額。加入していなければ0円

受け取り方

60〜75歳の間で選べます。 繰上げは1か月あたり0.4%減、繰下げは0.7%増です

1962年より前の生まれは繰上げの減額率が0.5%になります

累計の比較に使います。平均寿命だけでなく、長生きした場合も試してください

働きながら受け取る場合・手取りの前提

該当するものだけ入れてください。

厚生年金に加入して働く場合、老齢厚生年金の一部が止まることがあります

令和8年4月からの支給停止調整額(月額)。年度ごとに改定されます


国民健康保険料・介護保険料の前提

保険料は「所得に比例する部分」と「定額部分」でできています。 年金が増えれば保険料も増えるため、この2つを分けて置いています。 自治体で大きく変わるので、お住まいの自治体の試算に置き換えてください。

国民健康保険+介護保険のおおよその合計

%

均等割・介護保険の基準額など

保険料の上限。これを超えては増えません


入力内容は計算のためだけに使われ、サーバーへ送信も保存もされません。

受け取れる年金(手取り・月あたり)

209,094円

年金額(額面・年/月)

2,885,014円 240,418円

手取り(年)

2,509,128円

65歳受給に対する増減率

142.0%

所得税・住民税(年)

140,384円

健康保険料・介護保険料(年)

235,501円

在職老齢年金による停止

なし

初期表示はサンプル条件(基礎年金83.17万円・厚生年金120万円・70歳から受給・90歳まで)による試算です。

損益分岐年齢 ― 額面と手取りは違う

65歳から受け取った場合と比べて、累計の受取額が追いつく年齢です。

額面ベース

81歳

手取りベース

83歳

90歳まで受け取るなら最も有利

70歳

手取りのほうが遅くなるのは、年金が増えると所得税・住民税だけでなく 国民健康保険料・介護保険料も増えるためです。 90歳まで受け取った場合の累計手取りは 52,691,691円 です。

⚠️ 注意

  • 繰下げの増額も生涯続きます。ただし受給を待つ間の生活費が必要で、加給年金は繰下げ待機中は受け取れません。
  • 額面では81歳で追いつきますが、税と社会保険料を引いた手取りでは83歳までかかります。年金が増えると税・保険料も増えるためです。
  • 65歳以降は国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料が年金から天引きされます。保険料は「所得に比例する部分」と「定額部分」でできており、年金が増えれば保険料も増えます。料率・定額・上限は自治体で大きく変わるため、お住まいの自治体の保険料試算に置き換えてください。
  • 報酬比例部分だけを計算しています。経過的加算・加給年金・振替加算・特別支給の老齢厚生年金は含みません。実際の額はねんきんネットでご確認ください。

累計でいくら受け取れるか(手取り)

線が交わる年齢が、その受給開始年齢の損益分岐です。

JavaScript が無効な場合、グラフは表示されません。下の表で同じ内容を確認できます。

受給開始年齢の比較

色の付いた行が、90歳まで受け取る前提で累計手取りが最大になる年齢です。

受給開始 額面(年) 手取り(年) 手取り(月) 累計手取り 65歳との差 分岐(額面) 分岐(手取り)
60歳(76.0%) 1,544,092円 1,437,683円 119,807円 44,568,167円 ▲3,374,013円 80歳 82歳
62歳(85.6%) 1,739,135円 1,606,922円 133,910円 46,600,729円 ▲1,341,451円 82歳 85歳
65歳(100.0%) 2,031,700円 1,843,930円 153,661円 47,942,180円
68歳(125.2%) 2,543,688円 2,248,307円 187,359円 51,711,072円 3,768,892円 79歳 81歳
70歳(142.0%) 2,885,014円 2,509,128円 209,094円 52,691,691円 4,749,511円 81歳 83歳
75歳(184.0%) 3,738,328円 3,187,017円 265,585円 50,992,264円 3,050,084円 86歳 88歳

この数字をどう読むか

「81歳が分岐点」は額面の話

70歳まで繰り下げると年金は42%増えます。この増額分が、5年間受け取らなかった分を 取り返すのは、額面で計算するとおよそ81〜82歳です。この数字はよく紹介されます。

しかし実際に生活に使えるのは、公的年金等控除を引き、所得税・住民税を納め、 国民健康保険料と介護保険料を天引きされたあとの額です。そして年金が増えれば、 これらの負担も増えます。保険料には所得に比例する部分があるからです。

その結果、手取りベースの分岐点は額面より数年うしろにずれます。 上の比較表で2つの分岐年齢を並べているのはこのためです。判断に使うべきなのは、 手元に残るほうの数字です。

繰下げは「投資」ではなく「保険」

損益分岐年齢を見ると、繰下げは「何歳まで生きるかを当てるゲーム」に見えます。 しかし寿命は誰にも分かりません。分からないものを当てにいく考え方では、決められません。

繰下げの本当の役割は 長生きしたときの生活費を厚くすること です。 公的年金は生きているかぎり受け取れる終身の給付で、しかも物価や賃金の変動に応じて 改定されます。この性質を持つ資産は他にほとんどありません。 「早く死んだら損」ではなく「長生きしても困らないようにする」—— この見方に立つと、繰下げは損得の計算ではなく保険料の考え方に近づきます。

繰上げは取り消せない

繰上げ受給は1か月あたり0.4%の減額で、60歳まで繰り上げれば24%減です。 この減額は 生涯続き、あとから元に戻すことはできません

金額以外の影響もあります。繰上げ後は 障害基礎年金を請求できなくなり、 寡婦年金の権利もなくなり、国民年金の任意加入もできなくなります。 手元の資金が足りないという理由だけで繰り上げる前に、 老後資金・資産寿命シミュレーションで 「65歳まで持ちこたえられるか」を確認してみてください。

働きながら受け取るときは、止まる分を先に確認する

厚生年金に加入して働き続けると、年金の基本月額と給与の合計が一定額を超えた分について、 その半分だけ老齢厚生年金が止まります(在職老齢年金)。止まるのは 報酬比例部分だけで、老齢基礎年金は止まりません

注意したいのは、支給停止されている間は繰下げの増額対象にもならない点です。 「働いているあいだは繰り下げておけば増える」と考えていると、思ったほど増えないことがあります。 給与を入力して、止まる額を先に確かめてください。

まず、ねんきんネットで自分の数字を取る

年金額は加入記録で決まります。同じ年収でも、加入期間・平成15年3月以前の履歴・ 未納期間の有無で結果は変わります。本ツールの概算モードは桁を掴むためのもので、 ねんきんネット で確認できる見込額の代わりにはなりません。数字を取ってきたら、 「見込額を入れる」モードに切り替えて試算し直してください。 そこから先の繰上げ・繰下げの比較こそが、このツールの本体です。

この試算が扱っていないこと

  • 経過的加算・加給年金・振替加算・特別支給の老齢厚生年金は含みません
  • 繰上げ・繰下げは年単位で計算しています(実際は月単位で増減します)
  • 国民健康保険料・介護保険料は入力した料率と定額による概算です(自治体で大きく変わります)
  • 将来の年金額はマクロ経済スライドにより改定されます。本試算は現在の額が続く前提です
  • 遺族年金・障害年金、企業年金・iDeCo からの受取は含みません

あわせて確認したいこと

年金額が固まったら、 老後資金・資産寿命シミュレーションに その金額を入れて、資産が何歳まで持つかを確認してください。 退職金の受け取り方は 退職金の手取りシミュレーション、 iDeCo の出口は iDeCo・企業型DCシミュレーションで それぞれ試算できます。

よくある質問

正確な年金の見込額はどこで分かりますか?

日本年金機構の「ねんきんネット」で、ご自身の加入記録に基づく見込額を確認できます。マイナポータルからも利用できます。毎年の誕生月に届く「ねんきん定期便」にも見込額が記載されています。本ツールの概算モードは加入履歴を単純化したものなので、桁を掴んだあとは必ずねんきんネットの数字に置き換えてください。

繰下げの損益分岐は何歳ですか?

額面だけで比べると、70歳まで繰り下げた場合の分岐点はおよそ81〜82歳です。ただし実際に手元に残るのは税と社会保険料を引いたあとの額で、年金が増えれば所得税・住民税も国民健康保険料・介護保険料も増えます。そのため手取りベースの分岐点は額面より後ろにずれます。本ツールは両方を計算して並べて表示します。

繰上げすると何が減りますか?

1か月あたり0.4%(昭和37年4月1日以前生まれは0.5%)減額され、その減額は生涯続きます。60歳まで繰り上げると24%減です。加えて、障害基礎年金を請求できなくなる、寡婦年金が受けられなくなる、国民年金の任意加入ができなくなるといった影響もあります。繰上げの請求は取り消せません。

働きながら年金を受け取ると減りますか?

厚生年金に加入して働く場合、年金の基本月額と給与の総報酬月額相当額の合計が支給停止調整額を超えると、超えた額の半分が老齢厚生年金から止まります。止まるのは報酬比例部分だけで、老齢基礎年金は止まりません。支給停止調整額は年度ごとに改定されるため、本ツールでは画面から変更できるようにしています。

年金にも税金や社会保険料がかかるのですか?

かかります。公的年金等控除を引いた残りが雑所得となり、所得税と住民税の対象になります。さらに国民健康保険料(75歳以降は後期高齢者医療保険料)と介護保険料が年金から天引きされます。これらは所得に比例する部分を含むため、年金が増えれば負担も増えます。本ツールはこの点を織り込んで手取りを計算します。

繰下げ中に亡くなったらどうなりますか?

繰下げの待機中に亡くなった場合、遺族は本来の受給開始時(65歳)にさかのぼって未支給の年金を受け取れます。ただし増額はされません。損益分岐年齢まで生きられるかどうかが分からない以上、繰下げは「長生きしたときの備えを厚くする保険」として考えるのが実務的です。

入力した内容は保存されますか?

保存しません。計算はすべてお使いのブラウザの中で完結し、入力した年金額が当社のサーバーへ送信されることはありません。ページを閉じると入力内容は消えます。

計算に使った制度の出典

制度基準日 2026-09-09。年金額・料率は毎年度改定されます。

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参考資料

このツールの計算に用いている制度の数値は、以下の一次資料にあたって確認しています。 制度は年度ごとに変わるため、実際の手続きの前に最新の内容をご確認ください。

  1. ねんきんネット (日本年金機構)
  2. 老齢年金の繰下げ受給 (日本年金機構)
  3. 在職老齢年金の計算方法 (日本年金機構)
  4. No.1600 公的年金等の課税関係 (国税庁)

⚠️ ご利用にあたっての注意(免責事項)

  • 試算結果は、入力した条件に基づく概算です。将来の運用成果・賃料・金利・売却価格などを保証するものではありません。
  • 税金・社会保険料・各種制度を完全には反映していない場合があります。
  • 金融機関の融資審査の結果を保証するものではありません。
  • 本ツールは特定の金融商品・不動産の購入を勧めるものではなく、個別の投資助言ではありません。
  • 契約・投資の最終判断は、利用者ご自身の責任で行ってください。必要に応じて、税理士・FP・金融機関・不動産の専門家等へご確認ください。
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