毎年5月に届く自動車税の納税通知書は、金額を見てそのまま払うものになりがちです。 けれども同じ排気量の車でも、登録した時期と車齢によって年額は数千円から1万円近く違い、手放す時期によっては乗っていない年の分まで払うことになります。 2026年4月からは、税の名前も仕組みも一部変わりました。

先に結論を書くと、確かめるべきなのは、4月1日に誰の名義になっているか、2019年10月以降の登録か、13年を超えているかの3点です。 総務省と都道府県・市区町村の公表資料をもとに、普通車の自動車税と軽自動車税の年額、重課の境目、手放すときの扱いを整理します。

自家用乗用車の自動車税と軽自動車税について、排気量区分ごとに2019年10月以降登録の年額と13年超の重課後の年額を並べた図解
同じ排気量でも、登録の時期と車齢で年額が変わります。

この記事でわかること

  • 2026年4月から何が変わったか(環境性能割の廃止と名称の変更)
  • 普通車の自動車税の年額と、2019年10月を境にした2つの税率
  • 13年を超えた車の重課はいくらか
  • 軽自動車税の3つの税率
  • 年度の途中で手放したときに税金はどうなるか

結論|4月1日の名義と、登録時期・車齢で年額が決まる

自動車税(普通車)と軽自動車税は、どちらも4月1日に所有者として登録されている人に1年分が課税されます。 自家用乗用車の自動車税は、排気量1.5リットル超2リットル以下なら、2019年10月1日以降に初めて登録した車で年36,000円、それ以前の車で39,500円、13年を超えると45,400円です。 軽自動車は10,800円、7,200円、13年超で12,900円の3段階です。

年度の途中で手放したとき、普通車は抹消登録の翌月から月割で税額が減りますが、軽自動車税には月割の還付がありません。 買い替えや廃車を考えているなら、3月中に手続きを終えるかどうかで、その年度の負担が変わります。

この記事で扱う範囲

ここで扱うのは、毎年かかる自動車税と軽自動車税の金額と課税のルールです。 車検のときに納める自動車重量税や自賠責保険、任意保険の選び方は 自動車保険の選び方|自賠責との違いとノンフリート等級の仕組み、 納付書が届いた後の支払い方法は 税金はどの方法で納めるのが得か|キャッシュレス納付の手数料と上限で扱っています。

2026年4月から変わったこと|取得時の税がなくなった

2019年10月から2026年3月までは、自動車の税は「保有にかかる種別割」と「取得時にかかる環境性能割」の2本立てでした。 環境性能割は、燃費性能などに応じて取得価額の0〜3%(自家用の登録車)を課す税で、新車だけでなく中古車の購入にもかかっていました。

令和8年度税制改正で、この環境性能割は2026年3月31日をもって廃止されました。 兵庫県の案内は、2026年4月1日から「自動車税種別割が自動車税に名称変更されています」と説明しています。 軽自動車も同じで、軽自動車税環境性能割が廃止され、軽自動車税種別割は「軽自動車税」になりました。 名前が変わっただけで、毎年の税率は変わっていません。古い資料で「種別割」と書かれているものは、いまの自動車税・軽自動車税と同じものです。

普通車の自動車税|2019年10月を境に税率が2つある

自動車税は都道府県の税で、排気量ごとに年額が決まっています。2019年10月1日以降に初めて登録した自家用乗用車は、それ以前の車より税率が引き下げられました。 総務省の税率表から、主な区分を並べます。

排気量2019年9月以前の登録2019年10月以降の登録
1,000cc以下29,500円25,000円
1,000cc超1,500cc以下34,500円30,500円
1,500cc超2,000cc以下39,500円36,000円
2,000cc超2,500cc以下45,000円43,500円
2,500cc超3,000cc以下51,000円50,000円

基準になるのは「初回新規登録」の日で、その車がいつ最初に登録されたかです。中古車を買った日ではありません。 車検証の「初度登録年月」の欄で確かめられます。小さい排気量ほど引き下げ幅が大きく、1,000cc以下では年4,500円の差があります。

13年を超えると約15%重くなる|重課の境目

環境性能の優れた車の税を軽くし、古い車の税を重くする仕組みを、グリーン化特例といいます。 重くなる側は、4月1日時点で初回新規登録から13年を超えたガソリン車・LPG車と、11年を超えたディーゼル車が対象で、自家用乗用車では税率が概ね15%上乗せされます。 北海道の案内によれば、2026年度分は初度登録が2013年3月までのガソリン車が対象です。

排気量13年以内(2019年9月以前の登録)13年超差額
1,000cc以下29,500円33,900円4,400円
1,000cc超1,500cc以下34,500円39,600円5,100円
1,500cc超2,000cc以下39,500円45,400円5,900円
2,000cc超2,500cc以下45,000円51,700円6,700円

13年を超える車は、どれも2019年9月以前に登録された車なので、重課は引き下げ前の税率に上乗せされます。 2リットルクラスで比べると、新しく登録した車の36,000円に対して、13年を超えた車は45,400円で、年9,400円の差になります。 電気自動車や、ガソリンを燃料とするハイブリッド車は重課の対象外です。

重課は自動車税だけではありません

車検のときに納める自動車重量税も、初度登録から13年を超えると高くなり、18年を超えるともう一段上がります。 13年目の前後で車を買い替えるかどうかを考えるときは、毎年の自動車税と車検ごとの重量税の両方が上がることを前提に見積もる必要があります。

軽自動車税|10,800円・7,200円・12,900円

軽自動車税は市区町村の税で、自家用の軽四輪乗用車の税率は、最初の新規検査を受けた時期と経過年数で3つに分かれます。 総務省の資料によると、2015年4月1日以後に最初の新規検査を受けた車から税率が引き上げられ、あわせて13年を超えた車を重くする経年車重課が2016年度分から導入されました。

区分(自家用・軽四輪乗用車)年額
2015年4月1日以後に最初の新規検査10,800円
2015年3月31日までに最初の新規検査7,200円
最初の新規検査から13年を経過12,900円

見落としやすいのは、2015年3月以前の軽自動車が13年を超えたときの上がり幅です。それまで7,200円だった税額が12,900円になり、年5,700円上がります。 上乗せは概ね20%と説明されますが、これは新税率の10,800円に対する割合で、古い車の側から見れば8割近い増額です。 2026年度は、最初の新規検査が2013年3月以前の車がこの重課の対象です。

反対に、燃費性能の優れた新しい軽自動車には税率を軽くする特例(グリーン化特例の軽課)があります。 船橋市の案内によれば、概ね75%の軽減は2027年度・2028年度分にも延長され、概ね50%の軽減は2026年度分で終わりました。

年度の途中で手放したとき|普通車は月割、軽自動車は戻らない

4月1日に所有していれば、その後に売ったり廃車にしたりしても、その年度の税は元の所有者に課税されます。 東京都主税局は「年度の途中で移転登録(名義変更)された場合でも、前の所有者の方がその年度分の自動車税を納める義務があります」と説明しています。

ただし普通車を抹消登録(廃車)した場合は、抹消した月の翌月から月割で減額されます。 たとえば6月に抹消登録すると、4月から6月までの3か月分が課税され、1年分を納めていれば残りの9か月分が還付されます。 年額36,000円の車なら、還付はおよそ27,000円です。 減額の基準は業者に車を渡した日ではなく、運輸支局で実際に抹消登録をした日です。

軽自動車税には、この月割の仕組みがありません。松山市の案内は「軽自動車税は月割課税制度がありませんので、月割での還付はできません」としています。 4月2日に廃車しても1年分を納め、反対に4月2日以降に取得した軽自動車には、その年度の税はかかりません。

売却・廃車を3月に依頼するときの注意

  • 名義変更や抹消登録が3月31日までに終わらなければ、新年度の1年分が元の所有者に課税されます
  • 3月は運輸支局が混み合うため、手続きの完了日を業者に確認しておきます
  • 名義変更がされないまま放置されると、翌年度以降も課税が続きます

納期限と通知が届かないとき

自動車税の納税通知書は5月上旬に届き、納期限は5月末日です(土日にあたる場合は翌開庁日)。 軽自動車税の納期限は市区町村の条例で決まるため、届いた通知書で確かめます。 車を持つ固定費として、2リットルクラスの普通車なら月3,000円、軽自動車なら月900円程度を毎月取り分けておくと、5月の支出に慌てずに済みます。

引っ越したのに通知書が届かない場合は、車検証の住所変更が済んでいないことが考えられます。 住民票を移しただけでは送付先は変わらないため、運輸支局で住所変更登録をするか、都道府県に送付先の変更を届け出ます。 車にかかる費用全体の比べ方は車は現金・ローン・残価設定型のどれで買うか|総支払額で比べるで扱っています。

まとめ|名義・登録時期・車齢の3点を確かめる

自家用乗用車の自動車税は、2リットルクラスで2019年10月以降の登録なら36,000円、それ以前なら39,500円、13年超で45,400円です。 軽自動車は10,800円、7,200円、13年超で12,900円です。いずれも4月1日の所有者に1年分がかかり、普通車は廃車で月割の還付がありますが、軽自動車にはありません。

車齢13年は、自動車税と重量税がそろって上がる節目です。買い替えや手放す時期を考えるなら、3月中に手続きを終えられるかを先に確かめておくと、余分な1年分を払わずに済みます。 固定費全体の見直しの順番は家計改善で先に見直すべき固定費|投資の前に整えるお金の土台で整理しています。

よくある質問

Q. 中古車を買った場合、自動車税の税率はいつの時点で決まりますか。
税率を分けるのは、その車が最初に登録された日(初回新規登録日)です。中古車を買った日ではありません。2019年10月1日以降に初めて登録された自家用乗用車なら引き下げ後の税率、それ以前なら従来の税率がかかります。車検証の初度登録年月で確かめられます。
Q. 13年を超えると自動車税はいくら上がりますか。
ガソリン車・LPG車は4月1日時点で初回新規登録から13年を超えると、自家用乗用車で概ね15%上乗せされます。排気量1.5リットル超2リットル以下なら39,500円が45,400円になり、年5,900円の増額です。ディーゼル車は11年超が対象で、電気自動車やガソリンのハイブリッド車は対象外です。
Q. 軽自動車を5月に廃車にしたら、軽自動車税は戻ってきますか。
戻りません。軽自動車税には月割の課税・還付の仕組みがなく、4月1日に所有していればその年度の1年分を納めます。普通車の自動車税は抹消登録した月の翌月から月割で減額されるので、扱いが異なります。手放す予定があるなら、3月中に手続きを終えられるかを確かめておきます。
Q. 2026年4月から自動車税は安くなったのですか。
毎年かかる税率は変わっていません。変わったのは、車を取得したときにかかっていた環境性能割が2026年3月31日で廃止されたことと、自動車税種別割が自動車税に、軽自動車税種別割が軽自動車税に名称変更されたことです。購入時の負担は軽くなりましたが、保有中の年額は従来どおりです。

参考資料

本記事は2026年10月4日時点の公開情報をもとに作成しています。税額は自家用乗用車の標準税率で、営業用やトラック、一部の都道府県・市区町村の独自措置は含みません。 ご自身の車の税額や手続きは、納税通知書や都道府県・市区町村の窓口でご確認ください。