「取引信用保険」とは
取引信用保険とは、取引先の倒産や支払いの遅れで売掛金などを回収できなくなったときの損害を補償する、企業向けの保険です。
📌 投資判断のポイント
取引先の倒産などで売掛金を回収できないときの損害を補償する企業向け保険。全額ではなく一定割合の補償で、自社の負担は残るのが一般的。
取引信用保険はどういう仕組み?
掛けで商品を売る会社は、相手が倒産すると代金を受け取れなくなります。この保険に入ると、あらかじめ決めた取引先や限度額の範囲で、損害の一定割合が保険金で支払われます。保険会社は取引先の信用状態を調べて引受の条件を決めるので、自社の与信管理を補う情報にもなります。海外の取引先向けには、政府系の日本貿易保険が扱う貿易保険という仕組みもあります。
取引信用保険の具体例と注意点は?
例えば補償の割合が90%の契約で、1,000万円の売掛金が回収できなくなると、保険金は900万円です。残りの100万円は自社の負担となるので、損失がなくなるわけではありません。保険料は取引先の信用力や売上の規模で変わり、信用力が低い相手は引き受けてもらえない場合もあります。中小企業にとっては、大きな取引先の倒産が連鎖して自社も行き詰まる事態への備えとなります。ファクタリングと比べると、資金を早く手に入れるのではなく、損失に備えることを目的にした手段です。
貸倒引当金との違い
貸倒引当金は、回収できない恐れのある分を会計の上であらかじめ費用として見積もるものです。お金が入ってくるわけではありません。取引信用保険は、実際に損害が出たときに保険金を受け取る仕組みで、資金の面の備えになります。前者は決算書での備え、後者は実際の現金での備えといえます。
読むときのポイント
検討するときは、売上のうち特定の取引先への依存度を見ます。例えば売上の30%を1社に頼っている会社なら、その倒産の影響は深刻です。保険料という固定の負担と、1社が倒れたときの損害の大きさを比べて判断します。海外向けの取引では、輸入国の政治の混乱なども心配の種になるので、貿易保険も合わせて確かめます。
よくある誤解
「入っておけば売掛金の心配はいらない」というのは誤解です。補償には上限や割合があり、保険の対象にならない取引や、保険会社が引き受けない相手もあります。保険に頼りきらず、取引先ごとに販売の限度額を決めておくなど、普段の与信管理と組み合わせて使うものです。
出典: 日本貿易保険(NEXI)
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