「執行役」とは
執行役とは、指名委員会等設置会社で、取締役会から任された会社の業務の執行を決め、実際に業務を行う会社法上の役員です。取締役会が監督に専念し、日々の経営は執行役が担うという役割分担のために置かれます。
📌 投資判断のポイント
指名委員会等設置会社で、取締役会から任された業務の執行を決めて実行する会社法上の役員。任期はおおむね1年。会社が独自に置く執行役員とは別物。
執行役はどういう仕組み?
会社法では、指名委員会等設置会社には1人以上の執行役を置かなければならず、執行役は取締役会の決議で選ばれると定めています。会社と執行役との関係は委任の関係で、執行役は取締役会の決議で任された業務の執行の決定と、会社の業務の執行を担います。任期は、選ばれてから1年以内に終わる事業年度のうち最後のものに関する定時株主総会の後、最初に開かれる取締役会が終わるまでで、おおむね1年です。執行役は取締役を兼ねることができ、会社を代表する人は代表執行役として選ばれます。
執行役の具体例と注意点は?
例えば、取締役会が「海外事業の拡大」という方針と予算を決め、その範囲で、どの国に工場を建てるかなどの具体的な判断を執行役に任せます。取締役会は、その結果を報告させて評価し、必要なら執行役を交代させます。注意したいのは、監督と執行を分けても、執行役が取締役を兼ねると、見張る人と見張られる人が重なる点です。そのため、社外取締役の割合や委員会の働きと合わせて見ることが大切です。
執行役と執行役員の違い
名前はよく似ていますが、執行役は会社法で定められた機関で、指名委員会等設置会社にしか置けません。会社に対して法律上の責任を負い、登記もされます。一方、執行役員は多くの会社が独自に置いている社内の役職で、法律上の役員ではなく、従業員として雇われていることもあります。名刺に「執行役員」とあっても、会社法上の執行役とは別物です。
制度の成り立ち
執行役は、2003年4月に委員会を置く会社の形が使えるようになったときに生まれた役員です。2015年5月に施行された改正会社法で、この形の会社の名前は「指名委員会等設置会社」になりました。取締役会が経営の大きな方針を決めて監督し、執行役が日々の経営を担うという分担は、取締役の多くが社長の部下でもある従来の形では、監督が甘くなりやすいという反省から取り入れられたものです。
出典: e-Gov法令検索「会社法」
関連用語
取締役会に指名・監査・報酬の3委員会を置き、業務執行は執行役が担う機関設計。委員の過半数は社外取締役で、指名と報酬の決定は取締役会でも覆せない
取締役全員で構成し、業務執行の決定と取締役の監督を行う株式会社の機関。公開会社は設置が義務で、取締役は3人以上必要。
指名委員会等設置会社に置かれる3委員会の一つで、執行役や取締役の仕事ぶりを監査し、会計監査人の選任議案も決める。委員は3人以上で過半数が社外取締役。
指名委員会等設置会社に置かれ、執行役や取締役の個人別の報酬を方針に沿って決める委員会。過半数が社外取締役。任意に置く同名の委員会は助言役で権限が違う。
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