重要な会計方針

企業分析
よみ:じゅうようなかいけいほうしん
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「重要な会計方針」とは

会社が決算書を作るときに選んだ会計のルールや計算方法のうち、重要なものをまとめて示した注記のこと。

📌 投資判断のポイント

在庫の評価や減価償却、引当金、売上の計上時点など、決算書づくりで会社が選んだ主な会計の方法を示す注記。同業他社と比べる前に前提の違いを確かめるのに役立つ。

重要な会計方針はどういう仕組み?

会計のルールには、同じ取引でも複数の処理方法が認められている場面がある。例えば在庫の金額をどう計算するか、機械や建物の購入額を何年かけてどんな方法で費用にしていくか(減価償却)、将来の損失に備える引当金をどんな基準で計上するか、売上をどの時点で計上するか、などである。どれを選ぶかで毎年の利益の出方が変わるため、会社は採用した方法を注記として開示する。これを読むと、その会社の数字がどんな前提で作られているかが分かる。

重要な会計方針の具体例と注意点は?

50万円の機械を5年で費用にすれば毎年10万円、10年なら毎年5万円となり、同じ機械でも利益の見え方が変わる。同業の2社を比べるときに、減価償却の年数や売上の計上の仕方が大きく違っていないかを確かめると、比べ方を誤りにくい。方法を途中で変えた場合は「会計方針の変更」として別に説明されるので、あわせて確認したい。

会計上の見積りとの違い

重要な会計方針は「どの方法で計算するか」というルールの選択を示すもので、会計上の見積りは「その方法に当てはめる数字をどう予想したか」を示すものである。例えば定額法で減価償却することは会計方針、その機械を何年使えると見込むかは見積りにあたる。方針はめったに変わらないが、見積りは状況に応じて毎年見直される。両方の注記を並べて読むと、数字の前提をより正確につかめる。

読むときのポイント

注記の最初のほうに置かれていることが多く、有形固定資産の減価償却の方法、棚卸資産の評価の方法、引当金の計上の基準、収益の認識の方法などが順に書かれている。毎年ほぼ同じ文章なので、前の年の有価証券報告書と並べて、変わった部分だけを探すと効率がよい。

投資家が気をつけたいこと

同業他社と利益率を比べるとき、この注記を読まずに数字だけ並べると、ルールの違いを実力の差と取り違えるおそれがある。特に、減価償却の年数を長くしている会社は毎年の費用が小さく見え、利益率が高めに出やすい。また、日本基準・国際会計基準・米国会計基準のどれを使っているかでも、計算のルールは変わる。比べる前に、使っている会計基準と主な方針が近いかを確かめておきたい。会計方針は会社の数字の土台なので、投資を始める前に一度は目を通しておきたい。

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