「満室想定収入(PGI)」とは
満室想定収入とは、Potential Gross Incomeの訳で、賃貸物件が対象期間を通じて満室となり、契約上または市場想定の賃料をすべて回収できたと仮定した場合の最大収入である。空室、滞納、フリーレントなどを差し引く前の数字で、物件の収入上限を把握する入口になるが、実際に得られる収入とは異なる。
📌 投資判断のポイント
満室想定収入は空室や滞納が一切ないと仮定した最大収入。実効総収入と分けて確認したい。
📐 計算式・数値の目安
満室想定収入 = 各賃貸区画の想定賃料合計 + その他の潜在収入
詳しい仕組み・意味
各住戸や区画の月額賃料に12か月を掛け、駐車場、看板、自動販売機などのその他収入を加えて算出する。現行賃料を使うか市場賃料を使うかで結果が変わるため、売主資料の前提を確認したい。現行入居者の賃料が相場より低い場合、値上げできるとは限らず、相場より高い場合は退去後に収入が下がる可能性がある。
具体例・注意点
例えば10室、各月額8万円なら住戸部分の年間満室想定収入は960万円である。駐車場収入が年間60万円なら合計1,020万円となる。しかし空室1室、滞納、募集時のフリーレントがあれば実効総収入は少なくなる。募集賃料だけで計算すると実態より高くなるため、レントロールと入金実績を照合することが重要である。
投資判断での使い方
満室想定収入を理解すると、表面利回りの分子がどの前提で作られたか確認できる。ただし満室想定だけで返済計画を作らず、空室率、滞納率、賃料下落を反映した実効総収入でNOIとDSCRを計算したい。周辺相場より高い賃料を前提とする物件は、退去時に収益が下がる。収入上限と現実的な収入を分けることが安全な査定につながる。
関連用語
実効総収入は満室想定収入を空室・滞納などで補正した現実的な収入。NOI計算の基礎になる。
空室率は賃貸可能な部屋等のうち賃料を得られていない割合。計算定義と長期実績を確認したい。
レントロールは各区画の賃料・契約・入居状況をまとめた資料。収入の質を確認する基礎になる。
NOIは実効総収入から物件運営費を引いた純営業収益。キャップレートとDSCRの基礎になる。
GRMは物件価格が年間総賃料の何倍かを示す簡易指標。費用を含まないため精査が必要。
損益分岐入居率は運営費と返済を賄う最低限の入居率。市場平均との差が安全余裕になる。
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本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。