「損益分岐入居率」とは
損益分岐入居率とは、賃貸物件の運営費と借入金の元利返済を賄うために最低限必要となる入居率である。実際の入居率がこの水準を下回ると、物件収入だけでは費用と返済を負担できず、所有者の手元資金から補填が必要になる可能性が高い。
📌 投資判断のポイント
損益分岐入居率は運営費と返済を賄う最低限の入居率。市場平均との差が安全余裕になる。
📐 計算式・数値の目安
損益分岐入居率 =(物件運営費 + 年間元利返済額)÷ 満室想定収入 × 100
詳しい仕組み・意味
運営費と年間元利返済額の合計を満室想定収入で割るのが基本的な計算方法である。運営費に何を含めるか、その他収入をどう扱うかで数値は変わる。損益分岐入居率が低いほど空室への耐性が高く、高いほど満室に近い稼働を維持しなければ返済が難しい。DSCRや空室率と組み合わせ、季節変動も含めて見る必要がある。
具体例・注意点
満室想定収入1,000万円、運営費300万円、年間元利返済額500万円なら、損益分岐入居率は80%である。実際の入居率が90%でも、フリーレントや滞納で回収率が低ければ安全とは限らない。固定資産税や将来修繕を運営費から外すと数値が低く見えるため、支出項目を確認したい。
投資判断での使い方
損益分岐入居率を理解すると、何室まで空室に耐えられるかを直感的に把握できる。周辺市場の平均入居率との差が小さい物件は、景気後退や競合供給で赤字になりやすい。金利上昇後、賃料下落後、修繕費増加後の数値も計算し、十分な安全余裕を確保したい。高い自己資金利回りの裏で損益分岐入居率が上がっていないか確認することが重要である。
関連用語
満室想定収入は空室や滞納が一切ないと仮定した最大収入。実効総収入と分けて確認したい。
実効総収入は満室想定収入を空室・滞納などで補正した現実的な収入。NOI計算の基礎になる。
空室率は賃貸可能な部屋等のうち賃料を得られていない割合。計算定義と長期実績を確認したい。
DSCRはNOIが年間元利返済額の何倍あるかを示す指標。1倍以下は物件収益だけで返済できない。
運営費率は実効総収入に占める物件運営費の割合。費用項目を統一して比較したい。
NOIは実効総収入から物件運営費を引いた純営業収益。キャップレートとDSCRの基礎になる。
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