「DSCR(債務返済比率)」とは
DSCRとは、Debt Service Coverage Ratioの略で、物件や事業が生み出す収益で借入金の元利返済をどの程度賄えるかを示す指標である。不動産投資では一般にNOIを年間元利返済額で割って計算し、1倍を下回ると物件収益だけでは返済を賄えない状態を示す。金融機関の融資判断や投資家の返済余力確認に使われる。
📌 投資判断のポイント
DSCRはNOIが年間元利返済額の何倍あるかを示す指標。1倍以下は物件収益だけで返済できない。
📐 計算式・数値の目安
DSCR = NOI ÷ 年間元利返済額
詳しい仕組み・意味
DSCRが1.2倍なら、年間元利返済額に対してNOIが1.2倍あり、計算上20%の余裕がある。高いほど返済余力が大きいが、NOIや返済額の定義、金融機関の基準は案件によって異なる。変動金利、元金据置期間、将来の返済増加を反映しない計算では安全性を過大評価する。大規模修繕や税金をNOI外としている場合も別途資金が必要になる。
具体例・注意点
例えば年間NOI600万円、年間元利返済額480万円ならDSCRは1.25倍である。空室増加でNOIが480万円まで下がると1倍となり、それ以上悪化すれば自己資金から返済を補う必要がある。購入時だけでなく、金利上昇、賃料下落、修繕費増加を想定したストレス後DSCRを計算したい。満室時の収入だけを使うと返済余力が高く見えすぎる。
投資判断での使い方
DSCRを理解すると、借りられる金額と安全に返せる金額を区別できる。自己資金利回りを高めるため借入を増やすと、DSCRは低下しやすい。空室率、金利、返済期間を変えた複数シナリオで1倍を十分上回るか確認し、修繕や税金に備える現金も別に持ちたい。物件価格が上昇していてもDSCRが低下している場合、収益に対して借入負担が重い可能性がある。
関連用語
NOIは実効総収入から物件運営費を引いた純営業収益。キャップレートとDSCRの基礎になる。
不動産LTVは物件価値に対する借入残高の割合。高いほど自己資金効率と価格下落リスクが高まる。
キャップレートはNOIを物件価格で割った収益還元率。高いほど良いとは限らず、リスクも確認したい。
キャッシュ・オン・キャッシュ・リターンは投入自己資金に対する年間キャッシュフローの割合。融資条件も見る。
空室率は賃貸可能な部屋等のうち賃料を得られていない割合。計算定義と長期実績を確認したい。
すべての資産価格に影響するお金の価格。利上げで株・不動産が下落し、利下げで上昇しやすい。金利と債券価格は逆方向に動く大原則も必ず押さえる。
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本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。