「キャッシュ・オン・キャッシュ・リターン」とは
キャッシュ・オン・キャッシュ・リターンとは、不動産投資などで投入した自己資金に対し、年間でどれだけの税引前キャッシュフローが得られたかを示す指標である。借入を利用した投資の自己資金効率を測れるため、全額現金購入を前提とするキャップレートとは見ている範囲が異なる。融資条件により数値が大きく変わる。
📌 投資判断のポイント
キャッシュ・オン・キャッシュ・リターンは投入自己資金に対する年間キャッシュフローの割合。融資条件も見る。
📐 計算式・数値の目安
キャッシュ・オン・キャッシュ・リターン = 年間税引前キャッシュフロー ÷ 投入自己資金 × 100
詳しい仕組み・意味
年間税引前キャッシュフローは、NOIから年間元利返済額や、NOIに含めていない継続的支出などを調整して求める。自己資金には頭金だけでなく、取得税、仲介手数料、登記費用、初期改修費なども含めて計算する方が実態に近い。借入比率を高めると自己資金が減って利回りが上がる場合があるが、返済負担と価格下落リスクも増える。
具体例・注意点
例えば取得時に自己資金2,000万円を投入し、年間税引前キャッシュフローが120万円なら、キャッシュ・オン・キャッシュ・リターンは6%である。頭金だけを分母にして諸費用を除くと、数値は実態より高く見える。元本返済による純資産増加や売却益は通常この指標に含まれないため、投資全体の収益率と混同しないことが重要である。
投資判断での使い方
この指標を理解すると、限られた自己資金をどの物件へ配分するか比較できる。ただし高い自己資金利回りは、高い借入比率や返済リスクの裏返しになり得る。DSCR、LTV、空室率、修繕後のキャッシュフローと併用し、金利上昇や賃料下落でも資金が残るか確認したい。税引前だけでなく、所得税と売却時の手取りを含む長期収益も別途試算する必要がある。
関連用語
NOIは実効総収入から物件運営費を引いた純営業収益。キャップレートとDSCRの基礎になる。
キャップレートはNOIを物件価格で割った収益還元率。高いほど良いとは限らず、リスクも確認したい。
DSCRはNOIが年間元利返済額の何倍あるかを示す指標。1倍以下は物件収益だけで返済できない。
不動産LTVは物件価値に対する借入残高の割合。高いほど自己資金効率と価格下落リスクが高まる。
空室率は賃貸可能な部屋等のうち賃料を得られていない割合。計算定義と長期実績を確認したい。
不動産利回りは家賃収入を基にした投資収益率で、yieldの一種。bond-yieldと異なり実物資産の収益に依存し、コストや空室リスクを考慮した実質ベースでの判断が重要となる。
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本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。