「小口現金」とは
切手代や文房具代、交通費のような少額の支払いのために、会社が手元に用意しておく現金。担当者が管理し、使った分を定期的にまとめて補充する。
📌 投資判断のポイント
少額の支払いのために会社が手元に置く現金。定額を前渡しし、使った分を領収書と引き換えに補充する定額資金前渡法が一般的で、管理と照合の仕組みが欠かせない。
小口現金はどういう仕組み?
少額の支払いのたびに銀行からお金を引き出していては手間がかかるため、一定額を担当者に前渡ししておく。よく使われるのが定額資金前渡法(インプレスト・システム)で、例えば毎月初めに3万円を渡し、月末に使った分の領収書と引き換えに、使った額と同じ金額を補充する。こうすると月初の残高は常に3万円にそろい、「手元の現金+使った分の領収書=3万円」で照合できる。会計上は、使った時点ではなく、担当者から報告を受けて補充するときに費用の仕訳をまとめて行うことが多い。
小口現金の具体例と注意点は?
月末に、切手1,200円、文房具4,800円、タクシー代6,000円の報告があれば、合計1万2,000円を補充して月初の3万円に戻す。現金は持ち出しやすく、記録とのずれが見つけにくいので、金庫での保管、出納帳への記入、担当者と承認者を分けること、定期的な現金の実査が欠かせない。キャッシュレス決済や法人カードの普及で、小口現金を廃止する会社も増えている。
学校の授業での小口現金
米国ユタ州の高校向け会計科目の基準では、現金の管理の単元で小口現金を扱い、資金の設定、使ったときの伝票の記入、残高の照合、補充までの手順を練習する。不正が起きる条件を説明する不正のトライアングルと一緒に学ぶ構成になっている。
家計や小さな店での応用
定額資金前渡法は、家計の財布の管理にもそのまま使える。例えば食費用の財布に毎週1万5,000円を入れ、週末にレシートと残りのお金を合わせて1万5,000円になるかを確かめれば、何に使ったかが分からないお金がすぐ見つかる。個人で店を営む場合も、売上の現金と経費の支払い用の現金を同じ箱に入れると、帳簿との照合が難しくなる。経費用は別の小口現金として決まった額だけを用意し、補充のたびに記録すると、確定申告の準備も楽になる。金額が小さいことを理由に記録を省くと、年間ではまとまった額のずれになりやすい。
会社の決算書では、小口現金は「現金及び預金」に含まれて表示されるため、外部から金額を見分けることはできない。それだけに、社内での管理と照合がその正しさを支えている。
関連用語
ミスや不正を防ぎ、仕事を正しく進めるために社内に組み込む仕組みや手順の全体。上場会社は財務報告に関わる部分を経営者が評価し、内部統制報告書で開示する。
不正は「動機」「機会」「正当化」の3つがそろったときに起きるという考え方。会社が直接減らしやすいのは機会で、内部統制の多くはそのために置かれている。
1つの仕事の流れを承認・実行・記録・照合などに分け、複数の人に分担させること。1人で完結できない形にしてミスや不正を防ぐ、内部統制の基本の手法。
取引が実際にあったことを示す書類で、領収書・請求書・契約書・取引明細などが当たる。帳簿の記録の裏付けとなり、法人は原則7年間の保存が必要。
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