「内部統制」とは
会社の仕事が正しく、ルールどおりに進むように、社内に組み込んでおく仕組みや手順のこと。ミスや不正を防ぎ、早く見つけるための社内の決まりごとの全体を指す。
📌 投資判断のポイント
ミスや不正を防ぎ、仕事を正しく進めるために社内に組み込む仕組みや手順の全体。上場会社は財務報告に関わる部分を経営者が評価し、内部統制報告書で開示する。
内部統制はどういう仕組み?
金融庁の企業会計審議会が示す基準では、内部統制には4つの目的がある。業務を有効かつ効率的に進めること、報告の信頼性を確保すること、事業に関わる法令などを守らせること、資産を守ることである。これを支える要素として、統制環境、リスクの評価と対応、統制活動、情報と伝達、モニタリング、ITへの対応の6つが挙げられている。上場会社は金融商品取引法に基づき、2008年4月以後に始まる事業年度から、財務報告に関する内部統制を経営者が評価して内部統制報告書を提出し、監査人の監査を受けている。基準は2023年に改訂され、2024年4月1日以後に始まる事業年度から適用されている。
内部統制の具体例と注意点は?
支払いの申請をする人と承認する人を分ける、売上の入金を毎日銀行に預ける、月末に帳簿の預金残高と銀行の残高を照合する、といった手順はどれも内部統制の一部である。内部統制は小さな会社や家計にも応用できるが、どれだけ仕組みを整えても、経営者自身が仕組みを無視したり、複数の人が共謀したりすれば防げないという限界がある。
内部統制報告書との違い
内部統制は、社内で働いている仕組みそのものを指す。内部統制報告書は、その仕組みのうち財務報告に関わる部分が有効かどうかを、上場会社の経営者が評価して外部に報告する書類である。報告書で「開示すべき重要な不備」が示された会社は、決算の数字の信頼性に注意が必要になる。
家計や個人投資での考え方
内部統制の考え方は、家計の管理にも応用できる。カードの明細を毎月確認する、大きな支出は家族で事前に相談する、証券口座のログイン通知を有効にする、といった習慣は、目的別に見れば資産を守るための統制活動とモニタリングにあたる。投資先の会社を調べるときは、有価証券報告書の内部統制報告書で「有効でない」とされていないか、監査人の交代が続いていないかを確かめるとよい。決算の訂正が何度も起きる会社は、仕組みのどこかに問題を抱えている可能性がある。
関連用語
財務報告の作成体制が機能しているかを経営者が自己評価する書類。有効でないという結論が続く企業は、決算数値以前に経営管理の質を疑う材料になります。
1つの仕事の流れを承認・実行・記録・照合などに分け、複数の人に分担させること。1人で完結できない形にしてミスや不正を防ぐ、内部統制の基本の手法。
不正は「動機」「機会」「正当化」の3つがそろったときに起きるという考え方。会社が直接減らしやすいのは機会で、内部統制の多くはそのために置かれている。
会計士が財務諸表の適正性について述べた意見。無限定適正・限定付適正・不適正・意見不表明の4種類があり、意見が変わったときは事業の異変を示す合図です。
利益を良く見せるために決算書の数字をゆがめる行為。利益は増えても現金は増えないため、利益と営業キャッシュフローの差が広がり続ける会社には注意したい。
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