粉飾決算

株式投資
よみ:ふんしょくけっさん
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「粉飾決算」とは

会社が売上や利益、資産を実際より良く見せるために、決算書の数字を意図的にゆがめること。

📌 投資判断のポイント

利益を良く見せるために決算書の数字をゆがめる行為。利益は増えても現金は増えないため、利益と営業キャッシュフローの差が広がり続ける会社には注意したい。

粉飾決算はどういう仕組み?

粉飾決算の手口には、架空の売上を計上する、来期の売上を前倒しで計上する、売れ残った在庫を実際より多く数えて売上原価を小さく見せる、損失を子会社に付け替えて隠す、費用を資産として計上して先送りするなどがある。いずれも利益は増えて見えるが、実際の現金は増えないため、利益と営業キャッシュフローの差が広がりやすいのが共通の特徴である。上場会社が有価証券報告書に重要な虚偽の記載をすると、金融商品取引法にもとづく課徴金や刑事罰の対象になり、上場廃止につながることもある。外部の会計監査はこうした不正を見つけるための仕組みの一つだが、すべてを防げるわけではない。

粉飾決算の具体例と注意点は?

個人投資家が決算書から粉飾を見抜くのは難しいが、兆しはある。利益が増えているのに営業キャッシュフローが何年もマイナス、売掛金や在庫が売上をはるかに上回る速さで増えている、決算発表の延期や監査法人の交代が重なる、といった場合は注意が必要である。数字が良すぎる会社ほど、利益と現金の動きが一致しているかを確かめたい。投資判断を一社の決算書だけに頼らず、分散して持つことも被害を小さくする備えになる。

粉飾決算と逆粉飾の違い

粉飾決算は利益を実際より大きく見せる不正だが、逆に利益を小さく見せて税金を減らそうとするものを逆粉飾と呼ぶことがある。どちらも決算書の数字が実態と違う点では同じで、投資家や取引先、税務当局の判断をゆがめる。会計上の見積もりの幅の中で数字を調整する利益調整とは区別されるが、境界があいまいな場合もある。

決算書での兆しの見方

例えば3年続けて当期純利益が10億円前後なのに、営業キャッシュフローが毎年マイナスで、売掛金が売上の伸びの2倍以上の速さで増えているなら、利益の中身を疑ってみる価値がある。利益と現金のずれは粉飾以外の理由でも起こるが、何年も続く場合は、注記や監査報告書の記載まで確かめたい。

上場会社では、粉飾が明らかになると過去の決算書を訂正する報告書が出され、株価が大きく下がることが多い。一つの会社に資産を集中させすぎないことが、個人投資家にとって最も現実的な備えといえる。疑わしい兆しに気づいたら、まず自分で数字を確かめる習慣を持ちたい。

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