「一年基準」とは
貸借対照表で資産や負債を「流動」と「固定」に分けるときの基準の一つ。決算日の翌日から1年以内に現金化されるもの・支払期限が来るものを流動、1年を超えるものを固定とする。
📌 投資判断のポイント
決算日の翌日から1年以内に現金化や支払期限が来るかで流動と固定を分ける基準。長期の借入金も、翌年に返す分は流動負債に移る。
一年基準はどういう仕組み?
資産と負債の分け方には、まず本業の取引の流れで判断する「正常営業循環基準」があり、それに当てはまらないものに一年基準を使うのが日本の基本的な考え方である。例えば貸付金や借入金、定期預金などは一年基準で分類される。同じ借入金でも、返済期限が1年以内に来る部分は流動負債、それより先の部分は固定負債に入る。流動と固定を分けることで、短い期間に支払う必要がある額と、それに使えるお金の額を比べやすくなる。
一年基準の具体例と注意点は?
5年かけて返す借入金でも、決算のたびに、翌年に返す分が固定負債から流動負債へ移っていく。そのため、新たに借りていなくても流動負債が増えることがある。流動比率など短期の支払い能力を見るときは、こうした振り替えで数字が動くことを知っておくと、変化の理由を読み違えにくい。
正常営業循環基準との違い
正常営業循環基準は、本業の取引の流れの中にあるかどうかで流動か固定かを判断する。売掛金や在庫は、回収や販売まで1年を超えても流動に入る。一方、一年基準は期間の長さだけで判断する。日本ではまず正常営業循環基準を当てはめ、それに当てはまらない貸付金や借入金、預金などに一年基準を使う。
数値でみる
1,000万円を5年で毎年200万円ずつ返す借入金なら、決算日の翌日から1年以内に返す200万円が流動負債、残りの800万円が固定負債になる。翌年の決算では、返し終えた分を除いた残り800万円のうち次の1年で返す200万円が流動負債へ移り、固定負債は600万円に減る。
投資家が気をつけたいこと
流動比率や当座比率は、流動資産と流動負債の比で短い期間の支払い能力を見る指標である。長期の借入金の返済期限が近づくと、まとまった金額が一度に流動負債へ移り、比率が急に悪化して見えることがある。その場合は、借り換えの予定や手元の現金で返せるかを、注記の借入金の返済予定表で確かめたい。数字が動いた理由を知っていれば、慌てて判断を誤ることを防げる。返済予定表には、1年以内、1年超2年以内のように期間ごとの返済額が載っているので、いつ大きな返済が来るかも分かる。
関連用語
仕入れから販売、代金の回収までの本業の流れで生まれる売掛金や在庫などを、期間に関係なく流動に入れる基準。在庫の長い業種は流動比率が高く見えやすい。
現金や売掛金・在庫など、おおむね1年以内に現金化される資産。目先の支払い余力の土台だが、売れ残り在庫や回収の遅い売掛金で膨らんでいないか中身を確認する。
買掛金や短期借入金など、おおむね1年以内に支払う必要のある負債。流動資産と並べて短期の支払い能力を見るが、業種によって適正な水準は大きく異なる。
損益計算書・貸借対照表・キャッシュフロー計算書などを含む、外部の人に会社の成績と財産を伝える書類一式。会計基準に沿って作られるため、他社や過去の年度と比較できる。
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