「流動資産」とは
現金や、おおむね1年以内に現金に変わる見込みの資産。会社の「すぐ使えるお金」と「もうすぐお金になるもの」を集めた区分。
📌 投資判断のポイント
現金や売掛金・在庫など、おおむね1年以内に現金化される資産。目先の支払い余力の土台だが、売れ残り在庫や回収の遅い売掛金で膨らんでいないか中身を確認する。
流動資産はどういう仕組み?
貸借対照表の資産は、流動資産と固定資産に分かれる。流動資産の代表は、現金・預金、売掛金や受取手形などの売上債権、商品や原材料などの棚卸資産、短期で売る予定の有価証券。区分の目安は、通常の営業の流れで回収・販売されるものか、決算日の翌日から1年以内に現金化されるかどうか(正常営業循環基準と1年基準)。流動資産が厚いほど、目先の支払いに備える余力がある。
流動資産の具体例と注意点は?
流動資産が5億円、流動負債が4億円なら、流動比率は125%。ただし流動資産の中身が大事で、売れ残った在庫や回収が遅れている売掛金が膨らんでいるだけなら、数字ほど支払い余力はない。在庫が売上の伸び以上に増えていないか、売掛金の回収日数が長くなっていないかを、前の年と比べて確認する。
固定資産との違い
固定資産は、建物・機械・土地・ソフトウェアなど1年を超えて使い続ける資産。流動資産は回転して現金に戻るのに対し、固定資産は長い時間をかけて売上を生み、減価償却で少しずつ費用になる。
中身の読み方
流動資産のうち、すぐに支払いに使えるのは現金・預金と、短期間で回収できる売上債権。棚卸資産は売れて初めて現金になるため、支払い余力としては一段低く見る。そこで在庫を除いた当座資産で流動負債を割った当座比率も合わせて確認する。売掛金の回収にかかる日数は「売掛金÷売上高×365」で計算でき、たとえば売上12億円で売掛金が2億円なら約61日。この日数が前年より10日以上延びていれば、販売先の支払いが遅れていないか、無理な販売をしていないかを確かめるきっかけになる。
棚卸資産についても同じ考え方で、在庫を売り切るまでの日数を「棚卸資産÷売上原価×365」で計算できる。たとえば売上原価9億円で在庫が1.5億円なら約61日。業種によって適正な日数は大きく異なり、生鮮食品を扱う小売業は短く、受注から納品まで時間がかかる機械メーカーは長くなりやすい。比べるときは同業他社と、その会社の過去の数字を使う。数字の変化に理由があるかを探す姿勢が、流動資産を読むときの基本になる。増えた理由が売上の伸びで説明できれば心配は小さい。
関連用語
買掛金や短期借入金など、おおむね1年以内に支払う必要のある負債。流動資産と並べて短期の支払い能力を見るが、業種によって適正な水準は大きく異なる。
流動資産÷流動負債で短期の支払い能力を示す指標。200%以上が理想、100%未満は資金繰り注意。ただし在庫が売れ残りなら数字ほど安全ではなく、適正水準は業種で大きく異なる。同業比較と、在庫を除く当座比率との併用で判断したい。
在庫を除いた換金性の高い資産だけで短期負債を賄えるかを見る厳しめの安全性指標。100%以上が健全。流動比率は高いのに当座比率が低ければ流動資産の多くが在庫という意味で、在庫の積み上がりを疑う手がかりになる。
販売のために持つ商品・製品・仕掛品・原材料などの総称で、貸借対照表の流動資産に計上される。期末の評価額が売上原価と利益を左右する。売上が伸びないのに増えているなら売れ残りを疑う。
事業を回すために立て替える手元資金で、流動資産−流動負債で表す。売掛金と在庫が膨らむほど利益が出ていても現金は苦しくなり、黒字倒産の原因にもなる。利益だけでなく運転資本の推移と営業キャッシュフローを併せて確認したい。
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