「流動負債」とは
おおむね1年以内に支払う必要のある借りや義務。買掛金、短期借入金、未払いの費用や税金などが入る。
📌 投資判断のポイント
買掛金や短期借入金など、おおむね1年以内に支払う必要のある負債。流動資産と並べて短期の支払い能力を見るが、業種によって適正な水準は大きく異なる。
流動負債はどういう仕組み?
貸借対照表の負債は、流動負債と固定負債に分かれる。流動負債は、仕入れ代金の未払いである買掛金や支払手形、1年以内に返す短期借入金、長期借入金のうち1年以内に返済期日が来る部分、未払法人税、前受金などで構成される。流動資産と並べて見ることで、短期の支払いに必要な資金を手元で賄えるかがわかる。
流動負債の具体例と注意点は?
流動負債が3億円で、現金・預金が1億円、売掛金が1.5億円なら、すぐに現金化しやすい資産だけでは支払いに足りない。このとき当座比率は約83%で、在庫の販売や新たな借入に頼ることになる。ただし小売業のように、現金で売って仕入代金を後払いにする業種では、流動負債が流動資産より大きくても資金繰りが回っていることがあるので、業種の特徴と合わせて判断する。
固定負債との違い
固定負債は、返済期限が1年を超える長期借入金や社債、退職給付に係る負債など。同じ借入金でも、返済まで1年を切ると流動負債へ移る。返済期限が集中する年は、流動負債が一時的に膨らむ。
中身の読み方
流動負債は、取引の流れで自然に発生するものと、お金を借りて発生するものに分けて読むとわかりやすい。買掛金や未払金は仕入れや経費の後払いで、事業が大きくなれば自然に増える。一方、短期借入金やコマーシャル・ペーパーは利息が付く借入で、増え方が急なら資金繰りが厳しくなっている可能性がある。1年以内に返済期日が来る長期借入金も流動負債に含まれるため、大口の返済が近い年は、借り換えのめどが立っているかを決算説明資料や注記で確認する。
流動資産を流動負債で割った流動比率は、一般に高いほど短期の支払い余力があるとされ、教科書では200%以上が望ましいと説明されることもある。ただし現金を必要以上にため込むと資金の効率が下がるため、高ければ高いほどよいとは限らない。支払い余力と資金の使い方のバランスとして読むのがよい。
小さなお店で考えるとわかりやすい。仕入先への支払いが来月に30万円、家賃が10万円あり、手元の現金が25万円なら、今月の売上の回収が間に合わなければ支払いに困る。流動負債を見るとは、こうした近い将来の支払い予定を一覧にして、手元のお金で足りるかを確かめることにあたる。
関連用語
現金や売掛金・在庫など、おおむね1年以内に現金化される資産。目先の支払い余力の土台だが、売れ残り在庫や回収の遅い売掛金で膨らんでいないか中身を確認する。
長期借入金や社債など、返済期限が1年を超える負債。長く使う資産を長期の資金でまかなえているかを確かめる材料で、返済が1年以内に迫ると流動負債へ移る。
仕入れた商品や原材料の代金のうち未払いの額で、貸借対照表の流動負債に計上される。支払手形と合わせて仕入債務と呼ぶ。売上が伸びないのに買掛金だけが増えるなら資金繰りの悪化を疑う材料になる。
流動資産÷流動負債で短期の支払い能力を示す指標。200%以上が理想、100%未満は資金繰り注意。ただし在庫が売れ残りなら数字ほど安全ではなく、適正水準は業種で大きく異なる。同業比較と、在庫を除く当座比率との併用で判断したい。
在庫を除いた換金性の高い資産だけで短期負債を賄えるかを見る厳しめの安全性指標。100%以上が健全。流動比率は高いのに当座比率が低ければ流動資産の多くが在庫という意味で、在庫の積み上がりを疑う手がかりになる。
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