運転資本

企業分析
よみ:うんてんしほん 英語:Working Capital 別名:ワーキングキャピタル、正味運転資本
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「運転資本」とは

事業を回し続けるために必要な手元資金のこと。「流動資産 − 流動負債」で表され、企業の短期的な支払い余力と資金繰りを示す。

📌 投資判断のポイント

事業を回すために立て替える手元資金で、流動資産−流動負債で表す。売掛金と在庫が膨らむほど利益が出ていても現金は苦しくなり、黒字倒産の原因にもなる。利益だけでなく運転資本の推移と営業キャッシュフローを併せて確認したい。

詳しい仕組み・意味

企業は商品を仕入れてから売って現金を回収するまでに時間差がある。その間の立て替え資金が運転資本だ。

構成要素で見ると次のようになる。
- 売上債権(売掛金):売ったがまだ回収していないお金。増えると資金が寝る。
- 棚卸資産(在庫):仕入れたがまだ売れていない商品。増えると資金が寝る。
- 仕入債務(買掛金):仕入れたがまだ払っていないお金。増えると資金繰りは楽になる。

つまり「売掛金+在庫−買掛金」が事業に縛られている資金であり、これが膨らむほど、利益が出ていても手元の現金は苦しくなる。

具体例・注意点

注意すべきは、運転資本の増加が「成長の証」でもあり「危険信号」でもある点だ。売上が伸びれば売掛金も在庫も自然に増えるが、売上の伸び以上に在庫や売掛金が膨らんでいる場合は、売れ残りや回収の遅れを疑う必要がある。

黒字倒産との関係:損益計算書上は黒字でも、売掛金の回収が遅れ在庫が積み上がれば、手元の現金が尽きて支払いができなくなることがある。これが黒字倒産だ。利益は会計上の数字であり、現金とは別物である。

投資家の見方:損益計算書の利益だけでなく、運転資本の推移と営業キャッシュフローを合わせて確認すること。利益が伸びているのに営業キャッシュフローが伴わない企業は、運転資本の膨張が起きていないか点検する価値がある。

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