総雇用者所得

経済指標
よみ:そうこようしゃしょとく
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
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「総雇用者所得」とは

働く人全体が受け取った賃金の総額を示す指標です。1人当たりの名目賃金に雇用者数を掛けて求めます。物価の変動を除いたものを「実質総雇用者所得」と呼び、内閣府の月例経済報告などで家計の所得の動きを見る材料として使われています。

📌 投資判断のポイント

1人当たりの名目賃金に雇用者数を掛けた、働く人全体の賃金の総額。働く人が増えると平均賃金が下がって見える場面でも、家計に入るお金の総量の変化をとらえられる。

総雇用者所得はどういう仕組み?

1人当たりの名目賃金は、厚生労働省の毎月勤労統計調査の現金給与総額を使います。雇用者数は、総務省の労働力調査の雇用者数を使うのが一般的です。この2つを掛け合わせることで、賃金の水準と、働く人の数の両方の変化をまとめてとらえられます。

1人当たりの賃金だけを見ると、短時間で働く人が新たに増えたときに平均が下がり、所得が減っているように見えることがあります。総雇用者所得は人数の増加も反映するため、経済全体として家計に入るお金が増えているかどうかを確かめるのに向いています。

総雇用者所得の具体例と注意点は?

内閣府の大臣記者会見(2019年2月8日)では、次のような例が示されました。月40万円を得ている人の世帯で、配偶者が新たに月20万円で働き始めると、世帯の収入は60万円に増えます。一方、1人当たりの賃金は60万円を2人で割った30万円となり、平均だけを見ると下がったように見えます。

ただし、総雇用者所得が増えていても、1人ひとりの賃金が物価ほど上がっていなければ、個々の働き手の生活は苦しくなります。経済全体の所得の大きさを見る指標と、1人当たりの購買力を見る指標は、役割が違うものとして並べて確かめることが大切です。

実質賃金との違い

実質賃金は、1人当たりの名目賃金を物価で割り戻した値で、働く人1人の購買力の変化を表します。総雇用者所得は人数を掛け合わせた「総額」で、消費の土台となる家計所得全体の変化を表します。雇用が増える局面では、実質賃金が下がっていても実質総雇用者所得は増える、という食い違いが起こり得ます。

実質総雇用者所得は、名目の総雇用者所得を消費者物価指数などで割り戻して求めます。名目で3%増えても物価が3%上がっていれば、実質ではほぼ横ばいです。名目と実質の両方を並べて見ると、所得の伸びが物価に追いついているかが分かります。

出典: 内閣府「茂木内閣府特命担当大臣記者会見要旨 平成31年2月8日」

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