「ADP雇用統計」とは
米国の給与計算代行大手ADP社が、民間部門の雇用者数の増減を毎月公表する統計です。
📌 投資判断のポイント
米ADP社が給与計算データから推計する、米国民間部門の雇用者数の月次変化。政府の雇用統計より先に公表されることが多く予想修正の材料になるが、調べ方が違うため数字が食い違う月もある。
ADP雇用統計はどういう仕組み?
ADP社(Automatic Data Processing)は、顧客企業の給与計算データをもとに、米国民間部門の雇用者数の前月からの変化を推計して公表しています。米労働省が公表する雇用統計(非農業部門雇用者数)より前に出ることが多いため、市場ではその予想を修正する材料として注目されます。
政府の統計が事業所への調査にもとづくのに対し、ADP雇用統計は実際の給与支払いの記録を使う点が違います。企業規模別・業種別の内訳や、転職者と同じ職にとどまる人の賃金の伸びも併せて公表されます。
ADP雇用統計の具体例と注意点は?
ADP雇用統計と政府の雇用統計は、調べ方も対象も異なるため、数字が大きく食い違う月もあります。ADPの結果だけで政府統計の結果を決めつけることはできません。
市場が特に反応するのは、事前予想と大きく離れたときです。賃金の伸びの数字は、物価の先行きや金融政策の見通しを考える材料としても使われます。
政府の雇用統計は、非農業部門雇用者数のほかに失業率や平均時給も同時に公表します。ADP雇用統計には失業率が含まれないため、労働市場の全体像をみるときは、政府の統計の結果が出るのを待って両方を確かめるのが基本です。
公表日は政府の雇用統計の週の水曜日になることが多く、週末の結果を占う材料として為替や株価が動くこともあります。
政府の雇用統計との違い
米労働省の雇用統計(非農業部門雇用者数)は、事業所への調査と家計への調査の2つをもとに作られ、政府部門の雇用や失業率も含みます。ADP雇用統計は、ADP社が給与計算を受託している企業のデータから推計する民間部門だけの数字で、政府部門は含みません。
政府の雇用統計は通常、毎月第1金曜日に公表され、ADP雇用統計はその2日前の水曜日に出ることが多くなっています。対象と調べ方が違うため、両者の月ごとの増減が大きく食い違うことも珍しくありません。数か月分を並べて方向感が一致しているかをみるほうが、1か月の数字の差にこだわるより実用的です。
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