「有形固定資産回転率」とは
売上高を有形固定資産で割った指標で、土地や建物、機械などの設備が1年間にどれだけの売上を生んだかを示します。単位は「回」で、数値が大きいほど少ない設備で多くの売上を上げている、つまり設備を効率よく使っていると読めます。
📌 投資判断のポイント
売上高を有形固定資産で割った指標で、設備が1年にどれだけの売上を生んだかを回数で示す。装置産業では1回未満、小売やソフトウェアでは数回以上と業種差が大きく、同業比較が基本。
有形固定資産回転率はどういう仕組み?
有形固定資産回転率は、総資産回転率を資産の種類ごとに分解したときの一つです。総資産回転率が低い原因が、在庫なのか、売掛金なのか、設備なのかを突き止めるときに使います。
業種による差がとても大きい指標です。発電所や鉄道、通信網を持つ装置産業は、巨額の設備が必要なため回転率が1回を下回ることも珍しくありません。一方、設備をあまり持たない商社や小売業、ソフトウェアの企業では、数回から10回を超えることもあります。
有形固定資産回転率の具体例と注意点は?
売上高120億円、有形固定資産40億円の会社なら、回転率は3回です。同じ売上高で有形固定資産が60億円の会社は2回となり、同じ売上を上げるのに1.5倍の設備を使っていることになります。
大きな設備投資をした直後は、設備が増えても売上が追いつかないため、回転率は一時的に下がります。逆に、設備を更新せずに使い続けると、減価償却で帳簿上の金額が小さくなり、回転率は上がって見えます。数値が高いことが、必ずしも経営の効率の良さを意味するわけではありません。数年分の推移と設備投資の時期を合わせて確認することが大切です。
総資産回転率との違い
総資産回転率は、売上高を現金や在庫、売掛金まで含めたすべての資産で割った指標で、会社全体の資産の使い方を見ます。有形固定資産回転率は設備だけに絞った指標なので、設備投資の効果や、設備が過大になっていないかを確かめるのに向いています。両方を並べると、資産効率の低さがどこから来ているかを特定できます。
店舗や工場を自社で保有せず、借りて使う企業は、有形固定資産が小さくなるため回転率が高く出やすくなります。ただし2027年4月以後に始まる事業年度から適用される新しいリース会計基準では、借りている資産の多くを貸借対照表に計上することになり、比較の前提が変わる点にも注意が必要です。
比較するときは、同じ業種で、設備を自社で持つか借りるかという事業の形が近い企業どうしを選ぶことが前提になります。
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