「労働時間指数」とは
毎月勤労統計調査で公表される、労働者1人あたりの月間労働時間の水準を基準年と比べた指数。基準年の平均を100として表す。
📌 投資判断のポイント
毎月勤労統計調査で公表される、労働者1人あたりの月間労働時間の水準を示す指数。2020年平均を100とする。所定外労働時間の指数は景気に早く反応するが、パート比率の上昇でも低下して見える点に注意がいる。
労働時間指数はどういう仕組み?
総実労働時間、所定内労働時間、所定外労働時間のそれぞれについて指数が作られる。総実労働時間は所定内労働時間と所定外労働時間の合計で、休憩時間と有給休暇取得分は含まない。2022年1月分の確報から、令和2年(2020年)の平均を100とする基準に更新され、2021年12月分までの指数もこの基準に合わせて改定された。年平均の指数は、各月の指数を合計して12で割る単純平均で算出する。調査対象は日本標準産業分類に基づく16大産業に属する常用労働者5人以上の事業所で、約200万事業所の母集団から約3万3千事業所を抽出している。
労働時間指数の具体例と注意点は?
所定外労働時間指数は景気の変化に早く反応するため、残業の増減を通じて企業の業況感を読む材料になる。注意点は、パートタイム労働者の比率が上がると1人あたりの平均労働時間が下がり、働き方が変わっていなくても指数が低下して見えることである。このため、一般労働者とパートタイム労働者に分けた指数も併せて公表されている。もう一つの注意点は、事業所の入替えやベンチマーク更新の際に指数が遡って改定される場合があることで、過去の数値を引用するときは公表時点を明示する必要がある。
実数と指数の違い
実数の年平均は各月の常用労働者数で加重平均して求めるのに対し、指数の年平均は各月の指数を単純平均して求める。算出方法が異なるため、実数から計算した変化率と指数から計算した変化率は必ずしも一致しない。時系列の比較には指数を使うのが原則である。
残業時間との関係
所定外労働時間は、企業が正社員の採用を増やす前にまず調整する部分であるため、雇用統計の中では景気の変化に早く反応する。受注が増えると残業が増え、減ると残業が先に削られる。このため所定外労働時間指数は、鉱工業生産指数などと合わせて景気の局面を判断する材料に使われる。ただし働き方改革による上限規制の影響で、近年は景気が良くても残業が伸びにくくなっており、過去と同じ感覚で水準を比べると判断を誤る。指数は水準の比較ではなく変化の方向を見る道具として扱うのが無難である。
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