「利益準備金」とは
会社が利益剰余金から配当をするときに、会社法の決まりで積み立てておく準備金。純資産の部の株主資本のうち、利益剰余金の中に表示される。
📌 投資判断のポイント
利益剰余金から配当するとき、減る剰余金の10分の1を積み立てる準備金。準備金の合計が資本金の4分の1に達するまで続き、配当できる額の計算から外れる。
利益準備金はどういう仕組み?
会社法では、剰余金を配当するたびに、配当で減る剰余金の額の10分の1を準備金として積み立てなければならない。利益剰余金から配当した場合は利益準備金、資本剰余金から配当した場合は資本準備金に積み立てる。この積み立ては、資本準備金と利益準備金の合計額が資本金の4分の1に達した時点で不要になる。利益準備金は株主に配ることのできる剰余金から外されるため、配当できる上限である分配可能額の計算にも影響する。
利益準備金の具体例と注意点は?
例えば資本金1,000万円の会社が利益剰余金から100万円を配当すると、準備金の合計が250万円に届くまでは10万円を利益準備金に積み立てる。利益準備金は株主総会の決議などで取り崩して欠損の穴埋めに使うこともできるが、原則として債権者が異議を述べられる手続きが必要になる。
利益準備金と繰越利益剰余金の違い
どちらも利益剰余金の中に表示されるが、利益準備金は会社法で積み立てが決められた準備金で、配当の財源にならない。繰越利益剰余金は、毎年の当期純利益が積み上がり、配当を払うと減っていく項目で、分配可能額の計算に含まれる。資本金1,000万円の会社なら、資本準備金と合わせた準備金が4分の1の250万円に達するまで、配当のたびに積み立てが続く。積み立てが終わったあとは、繰越利益剰余金だけが配当の財源として動いていく。
決算書での見方
単体の貸借対照表では、利益剰余金の内訳として、利益準備金、その他利益剰余金(別途積立金や繰越利益剰余金など)が並ぶ。連結貸借対照表では利益剰余金の合計だけが載ることが多いため、利益準備金の額は単体の決算書や株主資本等変動計算書で確かめる。創業から年数がたち配当を続けてきた会社では、準備金が資本金の4分の1に達していて、利益準備金の残高が毎年変わらないことも多い。利益準備金が取り崩されている年は、過去の赤字の穴埋めをした可能性があるので、その年の当期純損失の有無と合わせて読むとよい。
関連用語
利益のうち配当せず社内に積み立てた累計額で、内部留保の中心。財務の安定を支えるが、会計上の累計であり同額の現金があるわけではない。着実な積み上げは収益力の証拠。ただし還元も投資もしなければ資本効率が低いと見られ、ROEと併せて評価したい。
株主の払い込みのうち資本金に入れなかった分などを積み立てる項目。配当時には減る剰余金の10分の1を、準備金の合計が資本金の4分の1になるまで積み立てる。
株式会社が配当や自己株式の取得で株主に渡せるお金の上限。剰余金をもとに会社法で計算し、資本金や準備金は使えない。純資産が300万円未満なら配当はできない。
企業の利益を株主に分配するインカムゲインの代表。配当利回り3〜5%台が日本の高配当株の目安。NISAを使えば配当も非課税になり、再投資による複利効果も狙える。
企業が利益のどれだけを配当に回しているかを示す指標。配当の持続性や企業の成長戦略を判断する上で重要。
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