「未活用労働指標」とは
失業率だけでは見えない「働きたいのに十分に働けていない人」の大きさを示す指標です。総務省統計局が労働力調査でLU1からLU4の4つを公表しています。
📌 投資判断のポイント
失業率では見えない、働きたいのに十分に働けていない人の大きさを示す指標。総務省統計局が労働力調査でLU1〜LU4を公表している。LU2以降は短時間就業者や求職をあきらめた人も含む。
未活用労働指標はどういう仕組み?
LU1は労働力人口に占める失業者の割合で、完全失業率に近い指標です。LU2は失業者に追加就労希望就業者(週35時間未満で働き、もっと働きたい人)を加えた割合です。LU3は、仕事を探していないが働きたい人などの潜在労働力人口を失業者に加え、分母も労働力人口と潜在労働力人口の合計にします。LU4はこれらすべてを合わせた最も広い指標です。国際労働機関(ILO)の基準に合わせて2018年から公表されています。労働力調査の詳細集計として四半期ごとに公表され、年平均の値も出ます。求職をあきらめる人が増えると、その人は失業者から外れるためLU1は改善して見えます。一方で潜在労働力人口が増えるのでLU3は悪化し、2つの指標の向きが食い違います。この食い違いが、未活用労働指標を失業率と並べて見る理由です。
未活用労働指標の具体例と注意点は?
LU1が下がっているのにLU2が上がっていれば、失業者は減ったものの、短時間でしか働けない人が増えていると読めます。この場合、失業率の改善ほど雇用の実態はよくなっていません。LU1とLU2は分母が労働力人口、LU3とLU4は分母に潜在労働力人口を含むため、4つの水準を単純に比べることはできない点に注意が必要です。
完全失業率との違い
完全失業率は、仕事がなく、仕事があればすぐ就けて、調査週に求職活動をした人だけを失業者として数えます。求職をあきらめた人や、パートで働きながら長く働きたい人は含まれません。未活用労働指標はこうした層を加えることで、賃金が上がりにくい背景や、労働市場にまだ余力が残っているかを判断する材料になります。日銀や政府も、賃金の伸びや物価の先行きを判断する材料の一つとして、こうした広い意味での労働の余力に注目しています。失業率が同じ水準でも、未活用労働指標が高ければ、賃金が上がるまでに時間がかかると考えられます。
関連用語
失業率は労働市場の健康状態を示す最重要指標。急上昇は景気後退リスク、低すぎる水準は賃金インフレを意識させる。
総務省統計局が毎月行う世帯対象の標本調査で、失業率や労働力率の出どころ。求職をあきらめた人は失業者に数えられず非労働力人口へ移るため、失業率の改善が実態と食い違うことがある。
15歳以上の就業者と完全失業者の合計。失業率の分母になるため、職探しをやめた人が増えると雇用が改善しなくても失業率が下がることがあります。
15歳以上人口のうち就業者にも完全失業者にも当たらない人。求職活動をやめた人がここへ移ると失業率は下がって見えるため、失業率だけでは雇用情勢を読めない。
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