「内部監査」とは
内部監査とは、会社の中の独立した担当部署が、業務のやり方や社内のルールがきちんと守られ、うまく働いているかを確かめ、改善を提案する仕事です。社長や取締役会の目が届きにくい現場の実態を、会社の内側から点検する役割を担います。
📌 投資判断のポイント
会社の中の独立した部署が、社内のルールや業務の仕組みが実際に働いているかを確かめて改善を提案する仕事。決算書の正しさを外部に保証する外部監査とは役割が違う。
内部監査はどういう仕組み?
会社には、ミスや不正を防ぐための仕組みである内部統制があります。例えば、お金の支払いを申請する人と承認する人を分ける、在庫を定期的に数える、といった決まりです。内部監査は、こうした仕組みが紙の上だけでなく実際に動いているかを、書類の確認、担当者への聞き取り、現場の立ち会いなどで調べます。調べる部署は、点検される部署から独立していることが大切で、多くの会社では社長や取締役会、監査役などに直接報告する形をとります。結果は内部監査報告書にまとめられ、問題があれば改善の期限を決めて、後日、直ったかどうかをもう一度確かめます。
内部監査の具体例と注意点は?
例えば、ある支店で、同じ人が仕入れ先の登録と支払いの両方をしていることが分かれば、内部監査は役割を分けるよう提案します。架空の仕入れ先を作ってお金を流す不正が起きやすい形だからです。注意したいのは、内部監査は会社のために働く社内の仕事で、決算書が正しいと外部に向けて保証するものではない点です。外部への保証は、公認会計士や監査法人による外部監査が担います。
内部監査と外部監査の違い
内部監査は会社が自分で行い、対象は業務全般です。外部監査は会社と利害関係のない公認会計士や監査法人が行い、主な対象は決算書です。日本では2008年4月1日以後に始まる事業年度から、上場会社に内部統制報告書の提出と、その報告書への外部監査が求められるようになりました。内部監査をする人の国際団体である内部監査人協会(IIA)は、2020年に、現場、管理部門、内部監査という3つの役割で組織を守る考え方を示しています。
投資家が見るポイント
上場会社の有価証券報告書の「コーポレート・ガバナンスの状況等」には、内部監査の組織や人員、手続き、監査の結果を誰に報告しているかが書かれています。例えば、従業員が1万人を超える会社で内部監査の担当がごく少人数なら、全ての拠点に目が届いているかを考えるきっかけになります。また、内部統制報告書で「開示すべき重要な不備」が報告された年は、社内の確認の仕組みに弱いところがあったという合図です。翌年以降に直ったかどうかも合わせて確かめます。
関連用語
ミスや不正を防ぎ、仕事を正しく進めるために社内に組み込む仕組みや手順の全体。上場会社は財務報告に関わる部分を経営者が評価し、内部統制報告書で開示する。
財務報告の作成体制が機能しているかを経営者が自己評価する書類。有効でないという結論が続く企業は、決算数値以前に経営管理の質を疑う材料になります。
1つの仕事の流れを承認・実行・記録・照合などに分け、複数の人に分担させること。1人で完結できない形にしてミスや不正を防ぐ、内部統制の基本の手法。
会社と利害関係のない公認会計士や監査法人が決算書の正しさを調べ、意見を表明する仕組み。上場会社や資本金5億円以上などの大会社に求められ、外部の人が決算書を信頼して使えるようにする。
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