「利ざや」とは
お金を調達するときのコストと、そのお金を貸したり運用したりして得る利回りとの差で、銀行の稼ぐ力の中心となる数字です。
📌 投資判断のポイント
資金の調達コストと運用利回りの差。銀行は預貸金利ざやや経費込みの総資金利ざやで稼ぐ力を測る。利上げで改善しやすいが、預金競争や不良債権の増加で相殺されることもある。
詳しい仕組み・意味
銀行の場合、貸出金の利回りから預金などの調達にかかる利回りを引いた差を預貸金利ざやと呼びます。さらに有価証券の運用も含めた資金運用利回りから、人件費や物件費などの経費まで含めた資金調達原価を引いたものを総資金利ざやといい、本業でどれだけ利益を出せているかを表します。利ざやに貸出や運用の残高を掛けたものが、資金利益の大きさになります。保険会社でも、契約者に約束した予定利率と実際の運用利回りの差が損益を左右します。
具体例・注意点
長く続いた低金利の時代には、貸出金利が下がる一方で預金金利はそれ以上に下げられず、日本の銀行の利ざやは縮小を続けました。日本銀行が政策金利を引き上げる局面では、変動金利の貸出はすぐに金利が上がり、預金金利の引き上げは遅れがちなため、利ざやが改善しやすくなります。ただし預金獲得の競争が強まれば調達コストも上がります。銀行株を見るときは、利ざやの水準だけでなく、金利上昇で借り手の返済負担が増えて不良債権が増えないかも合わせて確かめることが大切です。決算資料では、資金利益の増減を残高の変化による部分と利回りの変化による部分に分けて説明していることが多く、利ざやの寄与を読み取る手がかりになります。
関連用語
貸出金を預金で割った比率です。高いほど良いという指標ではなく、貸倒引当金の積み方や流動性の状況と合わせて読む必要があります。
中央銀行が意図的に操作する「金利の出発点」。FF金利(米)・コール翌日物(日)が代表。interest-rate(金利全般)の中でも中央銀行が直接動かす金利で、株・為替・住宅ローンまで連鎖的に動かす。
短期〜長期の国債利回りを結んだ曲線。通常は右肩上がり(順イールド)だが、短期が長期を上回る「逆イールド」が発生すると歴史的に景気後退の先行シグナルとされる。「逆イールド」の親概念。
すべての資産価格に影響するお金の価格。利上げで株・不動産が下落し、利下げで上昇しやすい。金利と債券価格は逆方向に動く大原則も必ず押さえる。
銀行の与信総額に占める回収困難な債権の割合。金融再生法の区分で開示され、比率とあわせて担保や引当金で手当てされた保全率も見る。景気悪化から遅れて上がりやすい。
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