「繰延税金負債」とは
会計上の利益が税務上の所得より先に立つことで、将来支払う税金が増える見込みとなった分を、あらかじめ負債として計上したもの。
📌 投資判断のポイント
会計上の利益が税務より先に立ち、将来払う税金が増える見込みの分を負債として先に計上したものです。株式の含み益がある会社では株高で膨らみ、株安で縮みます。
詳しい仕組み・意味
繰延税金負債は税効果会計から生まれる。会計と税務では収益や費用を認識する時期がずれることがあり、このずれのうち将来解消するものを一時差異と呼ぶ。一時差異のうち、解消時に課税所得を増やすものを将来加算一時差異といい、これに法定実効税率を掛けた金額が繰延税金負債になる。代表例は、その他有価証券を時価評価して含み益を純資産に計上した場合、圧縮記帳を適用した場合、連結上で子会社の留保利益に将来課税が見込まれる場合などである。逆に将来の課税所得を減らす差異からは繰延税金資産が生じる。
具体例・注意点
保有株式に含み益100が生じ、実効税率が30%なら、30を繰延税金負債として立て、純資産に載る評価差額金は70になる。したがって株高の局面では繰延税金負債が膨らみ、株安では縮む。繰延税金資産が将来の利益見通しに依存して取り崩しリスクを抱えるのに対し、繰延税金負債は原則として取り崩しの判断が入らない。決算書では両者を相殺して表示することがあるため、注記で内訳を確認したい。金額の大きい会社では、株式の含み益や企業買収に伴う資産の時価評価が背景にあることが多い。純資産の増減を追うときは、そこに載る評価差額が税引き後の数字であることを前提に読む必要がある。
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