「欠損金の繰越控除」とは
会社が赤字を出した年の欠損金を翌年以降に繰り越し、黒字になった年の所得から差し引いて法人税を軽くする仕組みです。
📌 投資判断のポイント
赤字の年の欠損金を翌年以降に繰り越し、黒字の年の所得から差し引く法人税の仕組み。繰越期間は10年で、中小法人等以外は所得の50%まで。税負担が一時的に低く見える点に注意。
詳しい仕組み・意味
法人税は事業年度ごとの所得にかかりますが、赤字の年と黒字の年を完全に切り離すと、業績の波が大きい会社ほど税負担が重くなります。そこで、青色申告書を提出した事業年度に生じた欠損金は、翌事業年度以降に繰り越して所得から控除できます。2018年4月1日以後に開始した事業年度に生じた欠損金の繰越期間は10年です。控除できる上限は会社の規模で異なり、資本金1億円以下の中小法人等は所得の全額まで、それ以外の法人は所得の50%までです。繰り越すには、欠損金が生じた年から帳簿書類を保存し、申告を続けることが条件になります。
具体例・注意点
前期に10億円の赤字を出した大企業が今期に8億円の黒字を出しても、控除できるのは所得の50%の4億円までで、残りの4億円には法人税がかかります。決算書を読むときは、繰越欠損金が残っている会社の税負担が一時的に低く見え、税引後の利益が実力より大きく出る点に注意が必要です。将来の税負担を減らす効果は繰延税金資産として計上されますが、黒字化の見込みが薄れると取り崩され、大きな損失になることがあります。
関連用語
繰越控除は投資損失を将来の利益と相殺する制度。継続申告が重要になる。
将来の減税効果を資産計上したもので、税効果会計で生じる。将来の黒字が前提のため、業績が悪化すると取り崩しを迫られ利益を押し下げる。現金のような確実な資産ではなく、収益力に依存する点を見落とさないようにしたい。
繰延税金資産は将来の課税所得を前提にした見積りの資産で、業績悪化時に取り崩されると純利益と自己資本が同時に削られる。自己資本に占める比率が高い企業ほど注記の確認が欠かせない。
青色申告は帳簿を整えることで税務上のメリットを受けられる申告制度。事業管理にも役立つ。
本業のもうけ(営業利益)に利息・配当・為替差損益など本業以外を加えた、会社の実力ベースの利益。一時的な特別損益は含まず反復的な稼ぐ力を見るのに向く。米国会計には概念がなく海外比較は不可。
企業分析 の他の用語
🏷 関連タグ
⚠️ ご利用にあたって
本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。