「会計上の利益率法」とは
会計上の利益率法とは、設備などへの投資をするかどうかを、その投資が生む会計上の利益の割合で判断する方法です。英語では Accounting Rate of Return(ARR)と呼ばれ、「平均でどれだけの利益率になるか」を見ます。
📌 投資判断のポイント
投資から生まれる平均の会計上の利益を投資額で割り、投資するかどうかを判断する方法。分かりやすいが、お金の時間価値を考えない点に限界がある。
会計上の利益率法はどういう仕組み?
計算は「投資から生まれる1年あたりの平均利益 ÷ 投資額」です。分母には最初の投資額を使う方法と、期間中の平均の投資額(最初の投資額と最後に残る価値の平均)を使う方法があります。ここでいう利益は、現金の出入りではなく、減価償却費を差し引いた後の会計上の利益です。会社があらかじめ「目標利益率15%以上なら投資する」といった基準を決め、計算結果と比べて判断します。決算書と同じ物差しで説明できるため、社内の説明に使いやすい方法です。
会計上の利益率法の具体例と注意点は?
例えば1,000万円の機械を買い、5年間使って最後の価値はゼロとします。この機械のおかげで、減価償却費を差し引いた後の利益が毎年100万円増えるとしましょう。最初の投資額で割ると100万円÷1,000万円=10%です。平均の投資額(1,000万円とゼロの平均で500万円)で割ると20%になります。どちらの分母を使うかで答えが2倍も違うので、比べるときは同じ方法にそろえる必要があります。
回収期間法・正味現在価値との違い
回収期間法は「何年で元が取れるか」を現金の流れで見る方法で、会計上の利益率法は「利益の割合」を見ます。どちらも、今日の100万円と5年後の100万円の価値の違い(お金の時間価値)を考えません。この点を補うのが、将来の現金を今の価値に直して比べる正味現在価値や内部収益率です。実務では、分かりやすさのために会計上の利益率法を使いつつ、時間価値を考える方法と併せて判断することが多いです。
使うときに確かめたいこと
計算の前提になる「利益の増加額」は、売上の見込みや費用の見積もりに左右されます。見込みを少し強気にするだけで利益率は簡単に上がるので、どんな前提で数字を出したかを必ず確かめましょう。また、利益率が同じでも、投資額が大きい案件ほど失敗したときの痛手は大きくなります。利益率だけでなく、投資額の大きさや、事業が計画どおりに進まなかった場合の影響も併せて考えることが大切です。社内で使う目標利益率は、借入金の金利や株主が期待する利回りを上回る水準に置くのが一般的です。
関連用語
投資した金額を、その投資で増える現金で何年で取り戻せるかで判断する方法。計算が簡単な一方、回収後の現金やお金の時間価値を考えない弱点がある
将来のキャッシュフローを現在価値に割り引いた合計から初期投資を引いた金額で、ゼロを上回れば投資に値すると判断します。割引率の置き方で結果が大きく動く点に注意が要ります。
積立投資の成績を元本比で何%増えたかと見ると、実力を過大評価しやすい。後から入れた資金ほど運用期間が短いためで、年率で比べるなら入出金の日付を使うIRRが適している。ただし数値が高くても回収額が小さい案件はありうる点に注意したい。
効果が何年も続く大きな投資について、将来の現金を見積もって採算を評価し、どれに資金を回すかを決める手続き。回収期間法や正味現在価値法などで比べる
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