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生成AI、クラウドサーバー、デザインツール。ドルで請求される経費が毎月いくつも並ぶようになりました。 カードで払うと、明細の円の金額には換算とは別にカード会社の海外事務手数料が含まれています。
この料率は2024年から2025年にかけて主要各社が引き上げ、Visa・Mastercardでは3%台が主流です。 料率の調べ方、年間の負担の見積もり方、ドルを持って払うWise Businessの使いどころを見ていきます。
この記事でわかること
- カードのドル払いには1.6〜3.85%の海外事務手数料が上乗せされること
- 年間のドル支出に料率を掛ければ、負担額が概算できること
- Wise Businessはドルの残高から払えること。両替時には手数料がかかること
- カードを残したほうがよい場面と、経理での円換算のルール
結論|ドル払いの多い事業者は「ドルで持って払う」経路を検討する
海外事務手数料は発行会社によって1.6%から3.85%まで開きがあります。まず自社カードの料率を確かめてください。 ドル払いが毎月まとまってあるなら、Wise Businessでドルの残高を持ち、そこから払う方法が選択肢になります。 ただし両替時には手数料がかかり、後払いやポイントといったカードの利点はなくなるため、支払いの性質で使い分けるのが現実的です。
カードでドルを払うと何が上乗せされるか
カードのドル払いは、利用日ではなく売上データが処理された日のレートで円に換算されます (三井住友カード「海外でのご利用について」)。 レートは国際ブランドが定めるもので、そこに手数料が足されます。 JCBは「海外でのご利用時には、基準レートに1.6%を加えた換算レートで日本円に換算をします。」と明記しています (JCB よくあるご質問)。
主なカード会社の海外事務手数料は次のとおりです(税込・2026年10月3日時点の各社公式ページ)。
| 発行会社 | 料率 | 改定の経緯 |
|---|---|---|
| 三井住友カード(Visa・Mastercard) | 3.63% | 2024年11月1日到着分から2.20%→3.63% |
| 楽天カード(全ブランド) | 3.63% | 2025年3月1日から2.20%→3.63% |
| 三菱UFJニコス(Visa・Mastercard) | 3.85% | 2024年8月請求分から2.20%→3.85% |
| セゾンカード(全ブランド) | 3.85% | 2024年12月4日から |
| dカード | 3.85% | 2025年12月1日から2.20%→3.85% |
| アメリカン・エキスプレス | 3.5% | 2025年8月1日から2.0%→3.5% |
| JCB(JCBオリジナル) | 1.60% | 改定の告知なし |
| イオンカード | 1.60% | 改定の告知なし |
法人カードは料率が違うことがある
三井住友カードのコーポレートカードなど3種類は2025年4月1日から3.63%、 アメリカン・エキスプレスのコーポレート・カードは2025年10月1日から3.5%です。 提携カードや法人カードの料率は、会員規約で個別に確認してください。
年間でいくら払っているかを見積もる
負担は「年間のドル支出 × 為替レート × 料率」で概算できます。1ドル=150円での試算です。
| ドル払い | 年間の円換算額 | 1.60% | 3.63% | 3.85% |
|---|---|---|---|---|
| 月200ドル | 36万円 | 5,760円 | 13,068円 | 13,860円 |
| 月1,000ドル | 180万円 | 28,800円 | 65,340円 | 69,300円 |
| 月3,000ドル | 540万円 | 86,400円 | 196,020円 | 207,900円 |
AnthropicのClaude APIは料金ページで「All payments are in USD」と明記しています (Claude API Pricing)。 一方で日本向けに円建て価格を用意するサービスもあるため、まず請求書の通貨を確かめてください。
Wise Businessで払うと何が変わるか
Wiseは、40以上の通貨を保有でき、150以上の国で利用できる送金・決済のサービスです。 日本ではワイズ・ペイメンツ・ジャパン株式会社が関東財務局長 第00040号の資金移動業者として登録されています (金融庁「資金移動業者登録一覧」)。 Wise Businessではドルの残高を持ち、法人デビットカードでその残高から払えます。
Wiseのヘルプは「アカウントにEURをお持ちでない場合、他の利用可能な通貨から両替するため、両替手数料がかかります。」と説明しています (Wise ヘルプセンター)。 支払う通貨の残高があれば追加の手数料なしで払えますが、円からドルへ両替する時点で、通貨の組み合わせや取引内容に応じた両替手数料がかかります。 料率は固定ではないため、Wise Businessの料金ページで確認し、自社カードの料率と比べてください。
2026年10月3日時点の公式ページでは、登録は無料、受取用の口座情報の取得など全機能の利用に一回限り3,000円がかかり、月額料金はありません。 法人デビットカードは1枚目の発行手数料がかかりません。
法人がWise Businessを持つ4つのメリット
- 支払いのたびの上乗せがなくなる。 カードは1回ごとに1.6〜3.85%の手数料がかかりますが、ドルの残高から払えば支払い時の上乗せはありません。 コストは円をドルに替えるときの両替手数料に集約され、自社カードの料率と比べて選べます。
- 両替のタイミングを自分で決められる。 カードの換算レートは売上の処理日で決まり、選べません。Wiseなら、レートを見ながら必要な分のドルを前もって用意しておけます。
- ドルの売上をドルのまま経費に回せる。 日本の法人もドルの受取用口座情報を持てるため、海外からの入金をドルで受け取り、そのままドルの経費を払えます。 円に戻して、また両替するという二重の負担がなくなります。
- 会社の口座として経費を管理できる。 社員用の法人デビットカードも発行でき、役員個人のカードで立て替えて精算する手間が減ります。
外貨を持つときの税金の考え方は外貨預金の税金と為替差益の扱いも参考にしてください。
残高と送金には上限がある
資金移動業の規制により、保有できる残高は全通貨の円換算合計で原則100万円までです(申請で最大2,000万円・最長6か月まで引き上げ可)。 残高からの送金とチャージは1回100万円までです。
カードを残したほうがよい場面
Wiseのカードはデビットカードで、残高から即時に引き落とされます。後払いで資金繰りに余裕を持たせたい支払い、 ポイント還元を重視する支払い、デビットカードを受け付けないサービスはカードに残すのが無難です。 還元率1%のカードなら、実質の負担は1ポイント分ほど下がります。 違いはデビットカードとプリペイドカードの使い分けで詳しく扱っています。
経理で円換算するときのルール
法人税基本通達13の2-1-2は、「その取引を計上すべき日(以下この章において「取引日」という。)における対顧客直物電信売相場」と 電信買相場の仲値(TTM)で換算するのを原則とし、継続適用を条件に費用は電信売相場(TTS)も認めています (国税庁 法人税基本通達)。 Wiseでは両替と支払いの時点が分かれるため、どの時点のレートで計上するかを税理士と決め、毎期同じ方法で処理してください。
まとめ|まず自社カードの料率と年間のドル支出を並べる
- カードのドル払いには1.6〜3.85%の海外事務手数料が加わる
- 月1,000ドルなら、料率3.63%で年6万5,000円ほど
- Wise Businessはドルの残高から払える。両替時の手数料は公式ページで確認する
- 後払い・ポイントが必要な支払いや、デビット不可の支払いはカードに残す
日本でWise Businessに登録できるのは株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社で、個人事業主は含まれません。
よくある質問
- Q. クレジットカードでドルを払うと手数料はいくらかかりますか
- 国際ブランドが定める換算レートに、カード会社の海外事務手数料が上乗せされます。2026年10月3日時点の公式ページでは、三井住友カードと楽天カードが3.63%、三菱UFJニコス(Visa・Mastercard)・セゾンカード・dカードが3.85%、アメリカン・エキスプレスが3.5%、JCBとイオンカードが1.60%です。同じ発行会社でも法人カードや提携カードで料率が違うことがあります。
- Q. Wiseならドル払いの手数料はかかりませんか
- 支払う通貨の残高があれば、その残高から追加の手数料なしで支払えます。ただし円からドルへ両替する時点で、通貨の組み合わせや取引内容に応じた両替手数料がかかります。料率は固定ではないため、Wise Businessの公式料金ページで最新の数字を確認し、自社カードの海外事務手数料と比べて判断してください。
- Q. 個人事業主もWise Businessを使えますか
- Wiseのヘルプによると、日本で法人アカウントを登録できるのは株式会社・有限会社・合同会社・合名会社・合資会社です。個人事業主はこの区分に含まれないため、利用できるサービスや条件はWiseの公式ヘルプで確認してください。信託会社・財団・NPOや、代表者が日本国外に住んでいる法人も登録できません。
- Q. ドルで払った経費は何円で記帳すればよいですか
- 法人税基本通達13の2-1-2は、取引日の電信売相場と電信買相場の仲値(TTM)で円換算するのを原則としています。継続適用を条件に、費用は取引日の電信売相場(TTS)でも構いません。カード払いは明細の円額で計上することが多いため、Wiseで両替してから払う場合にどの時点のレートを使うかを税理士と決め、毎期同じ方法で処理してください。
参考資料
- 国税庁「法人税基本通達 第13章の2 第1節 外貨建取引に係る会計処理等」
- 金融庁「資金移動業者登録一覧」
- 三井住友カード「海外でのご利用について」
- 楽天カード(公式)海外でのご利用について
- 三菱UFJニコス(公式)よくあるご質問
- セゾンカード(公式)海外事務手数料の改定について
- dカード(公式)海外事務手数料の改定について
- アメリカン・エキスプレス(公式)外貨建て取引の手数料
- JCB(公式)よくあるご質問
- イオンカード(公式)よくあるご質問
- Wise Business 料金
- Wise ヘルプセンター(日本で登録できる法人の種類)
- Wise ヘルプセンター(残高の保有上限)
本記事は2026年10月3日時点の公開情報をもとに作成しています。 海外事務手数料はカードの種類によって異なり、改定されることがあります。Wiseの手数料は通貨の組み合わせや取引内容によって変わります。 会計・税務の処理は税理士にご相談ください。