2か月に一度届く水道の検針票。金額だけを見て払っているものの、「水道」と「下水道」の2つが並んでいる理由や、家族が減ったのに思ったほど安くならない理由はよくわからない。 電気やガスは料金プランを見比べたことがあっても、水道代の仕組みまで調べたことがある人は多くありません。

先に結論を書くと、水道代は「メーターの口径で決まる基本料金」と「使うほど単価が上がる従量料金」に、水道の使用量をもとに計算する下水道料金が上乗せされる仕組みです。 料金表は自治体ごとに違いますが、構造はほぼ共通しています。この記事では東京都水道局(23区)の公表資料を例に、検針票の読み方と計算の手順を整理します。

水道代の内訳を整理した図解。水道料金はメーターの口径で決まる基本料金と、使用量が増えるほど1立方メートルあたりの単価が上がる従量料金からなり、下水道料金は水道の使用量と同じ量を汚水の量とみなして計算する。東京都23区で口径20ミリの場合、基本料金は月1,170円(税抜)、下水道料金は8立方メートルまで月560円(税抜)であることを並べている
金額は東京都23区の料金表(税抜)です。料金表は自治体ごとに異なります。

この記事でわかること

  • 水道代が「水道料金」と「下水道料金」に分かれている理由
  • 基本料金がメーターの口径で決まる仕組み
  • 使用量が増えるほど1立方メートルあたりの単価が上がる理由
  • 2か月分の請求額を自分で計算する手順
  • 料金が軽くなる減免制度と、住む自治体による料金の差

結論|水道代は「基本料金+従量料金」に下水道料金が乗る

水道代として請求される金額は、上水道を使った対価である水道料金と、使った水を下水として流す対価である下水道料金の合計です。 東京都23区の場合、水道料金は東京都水道局、下水道料金は東京都下水道局の料金ですが、請求は水道局がまとめて行っています。

区分決まり方東京都23区の例(税抜・1か月)
水道の基本料金メーターの口径(呼び径)で決まる13ミリ860円/20ミリ1,170円/25ミリ1,460円
水道の従量料金使用量の段階ごとに単価が上がる5立方メートルまで0円、6〜10立方メートルは1立方メートル22円、11〜20立方メートルは128円
下水道料金水道の使用量を汚水の量とみなして段階的に計算8立方メートルまで560円、9〜20立方メートルは1立方メートル110円

見直しの手がかりは2つです。1つは使用量の段階で、使えば使うほど1立方メートルあたりの単価が上がるため、多く使う家庭ほど節水の効果が大きくなります。 もう1つはメーターの口径で、使用量に関係なく毎月かかる基本料金を左右します。

請求は2か月分|1か月分に割ってから計算する

多くの自治体では、水道メーターの検針と請求が2か月に一度です。ただし料金表は1か月分で作られているため、2か月分の使用量をそのまま料金表に当てはめると金額が合いません。 東京都水道局は計算方法として、「使用水量を1/2にし、1か月当たりの使用水量を求めます」と説明しています。端数が出たときは一方の月に寄せます。

たとえば2か月で59立方メートル使った場合は、30立方メートルと29立方メートルの2か月に分け、それぞれ料金表で計算して足し合わせます。 最後に合計額に1.10を掛けて消費税相当額を加え、1円未満を切り捨てたものが請求額です。毎月検針の家庭は、1か月の使用量をそのまま当てはめます。

検針票で確かめたいのは、メーターの口径(呼び径)、2か月の使用水量、水道料金と下水道料金の内訳の4つです。 使用水量を前年の同じ時期と比べると、家族の人数の変化や漏水の疑いに気づくきっかけにもなります。

基本料金はメーターの口径で決まる

東京都23区の水道料金は、メーターの口径ごとに基本料金を定める「口径別」の料金体系です。家庭用で一般的な口径は13ミリ、20ミリ、25ミリで、1か月の基本料金(税抜)はそれぞれ860円、1,170円、1,460円です。 口径が30ミリになると3,435円、40ミリでは6,865円と大きく上がります。

13ミリと20ミリの差は1か月310円(税込341円)で、2か月の請求では682円の差になります。口径は水を同時に使える量に関係するため、戸建てやマンションの建築時に決まっていることがほとんどです。 口径を小さくするには給水装置の工事が必要になり、同時に複数の蛇口を使うと水圧が下がることもあります。費用と使い勝手を比べて、管理会社や指定の工事事業者に相談してから判断するのが確実です。

なお自治体によっては、口径ではなく「家事用」「業務用」といった用途で料金を分ける体系や、基本料金に一定の水量(基本水量)を含める体系もあります。自分の自治体がどちらかは、検針票か水道事業者の料金表で確かめられます。

従量料金は使うほど単価が上がる

東京都23区の従量料金は、使用量の段階ごとに1立方メートルあたりの単価が上がる仕組みです。口径13〜25ミリの場合、1か月の単価(税抜)は次のとおりです。

1か月の使用量水道の従量料金(1立方メートルあたり)下水道料金(1立方メートルあたり)
1〜5立方メートル0円8立方メートルまで定額560円
6〜10立方メートル22円
11〜20立方メートル128円110円(9〜20立方メートル)
21〜30立方メートル163円140円
31〜50立方メートル202円170円
51〜100立方メートル213円200円

使用量が1か月20立方メートルを超えると、追加の1立方メートルには水道163円と下水道140円の合計303円、税込で約333円がかかります。 一方、1か月10立方メートル以下の範囲では水道の従量料金はほとんどかからず、請求額の大半は基本料金と下水道の定額部分です。 一人暮らしや二人暮らしで節水しても金額があまり変わらないのは、この構造のためです。

下水道料金は水道の使用量で計算される

下水道料金は、家庭から流した汚水の量に応じてかかります。とはいえ汚水の量を直接測るメーターはないため、東京都水道局の料金表には「汚水排出量は、水道ご使用量と同量とみなして算出します」と書かれています。 つまり水道を1立方メートル使うと、下水道料金も1立方メートル分かかる計算です。

東京都23区の一般汚水の料金(税抜・1か月)は、8立方メートルまでが定額560円、9〜20立方メートルが1立方メートル110円、21〜30立方メートルが140円と、こちらも段階的に上がります。 庭の散水のように下水に流れない水も使用量に含まれる点は知っておきたいところです。

計算してみる|2か月40立方メートル・口径20ミリの家庭

2か月で40立方メートル、つまり1か月20立方メートルを使う東京都23区の家庭(口径20ミリ)で計算してみます。

項目1か月20立方メートルの計算(税抜)金額
水道の基本料金口径20ミリ1,170円
水道の従量料金0円×5+22円×5+128円×101,390円
下水道料金560円+110円×121,880円
1か月の合計2,560円+1,880円4,440円

2か月分は、水道料金が2,560円×2か月×1.10で5,632円、下水道料金が1,880円×2か月×1.10で4,136円、合計9,768円です。 東京都水道局が示す計算事例(口径20ミリ・2か月59立方メートル)では、水道料金9,038円と下水道料金7,062円で合計16,100円になります。 使用量が約1.5倍になると請求額は約1.65倍になり、段階で単価が上がる効果が表れています。

引っ越しの月は日割りになる

  • 東京都23区では、月の途中で使い始めたりやめたりしたとき、水道料金は基本料金と従量料金を合わせて使用日数で日割りする
  • 下水道料金は、使用日数が15日以内なら8立方メートルまでの定額部分を半額にし、15日を超えると1か月分で計算する
  • 引っ越しの前後で請求額が普段と違うのは、この日割りのためであることが多い

料金が軽くなる仕組み|減免と臨時の基本料金無償

水道料金には、申請によって基本料金などが免除される減免制度があります。東京都水道局では、生活保護の生活扶助などを受けている世帯や、児童扶養手当・特別児童扶養手当を受けている世帯が対象です。 免除の範囲は、水道料金が基本料金と1か月10立方メートルまでの従量料金、下水道料金が1か月8立方メートルまでの料金です。

減免は自動では適用されず、受給を証明する書類を添えて水道局の営業所などに申請します。多摩地区の下水道料金のように、市町によって取り扱いが異なる場合もあります。 手当の受給を始めたら、水道の減免も申請できるか確かめておくと安心です。

このほか、自治体が物価対策として基本料金を一時的に無償にすることもあります。東京都は2026年夏に、6月1日以降の検針分から4か月分の基本料金を無償にし、口径20ミリでは4か月で5,148円(税込)が減額されました。 東京都水道局は「2か月で10㎥までが無償となります」と説明しており、従量料金と下水道料金は通常どおり請求されています。

住む自治体で料金は大きく違う

水道事業は原則として市町村などが運営し、料金収入で費用を賄う仕組みです。水源からの距離や地形、人口密度、施設の古さによって費用が違うため、料金表も自治体ごとに異なります。 たとえば口径13ミリで1か月20立方メートルを使う場合、東京都23区の水道料金は税込2,475円ですが、北九州市上下水道局は同じ条件で2,200円(2025年10月1日現在)と公表しています。

近年は人口減少で料金収入が減る一方、老朽化した水道管の更新費用が増えており、料金を改定する自治体が出ています。引っ越し先を選ぶときは、家賃や管理費と並べて水道料金の水準も確かめておくと、毎月の固定費の見通しが立てやすくなります。

電気とガスの料金の見直し方は電気とガスの料金を見直す|内訳の読み方と切り替えの判断、プロパンガスの場合はプロパンガス(LPガス)料金を見直す|三部料金の読み方と2025年の新ルールで扱っています。 水道は契約先を選べないため、本記事では料金の仕組みと減免に絞りました。固定費全体の優先順位は家計改善で先に見直すべき固定費|投資の前に整えるお金の土台が参考になります。

まとめ|検針票で口径と使用量の段階を確かめる

水道代は、口径で決まる基本料金と、使うほど単価が上がる従量料金に、水道の使用量で計算する下水道料金が加わった金額です。東京都23区で口径20ミリ、1か月20立方メートルの家庭なら、2か月の請求は9,768円になります。

検針票では口径と2か月の使用量を確かめ、1か月分に割ってから料金表の段階に当てはめると、節水でどこまで下がるかが見えてきます。手当を受給している世帯は減免の対象になるか、水道局に確認しておきましょう。

よくある質問

Q. 水道代の請求に下水道料金が含まれているのはなぜですか?
使った水は下水として流れるため、水道料金とは別に下水道の使用料がかかります。汚水の量を測るメーターはないので、多くの自治体では水道の使用量と同じ量を汚水の量とみなして計算し、水道料金とまとめて請求しています。東京都23区では8立方メートルまでが月560円(税抜)の定額です。
Q. 一人暮らしで節水しても水道代があまり下がらないのはなぜですか?
使用量が少ない範囲では、請求額の大半が使用量に関係なくかかる基本料金と下水道の定額部分だからです。東京都23区では1か月5立方メートルまで水道の従量料金が0円、6〜10立方メートルも1立方メートル22円(税抜)で、節水で減らせる金額は小さくなります。
Q. 2か月分の請求額はどう計算すればよいですか?
2か月の使用量を半分にして1か月分の使用量を求め、それぞれの月を料金表の段階に当てはめて計算します。東京都23区では、水道料金と下水道料金の合計に1.10を掛けて消費税相当額を加え、1円未満を切り捨てます。端数が出たときは一方の月に寄せます。
Q. 水道料金の減免はどんな人が受けられますか?
東京都水道局では、生活保護の生活扶助などを受けている世帯や、児童扶養手当・特別児童扶養手当を受けている世帯が対象です。水道料金は基本料金と1か月10立方メートルまでの従量料金、下水道料金は1か月8立方メートルまでが免除されます。申請が必要で、対象や内容は自治体によって異なります。

参考資料

本記事は2026年10月13日時点の公開情報をもとに作成しています。料金表や減免の条件は自治体ごとに異なり、改定されることがあります。 実際の料金は、お住まいの地域の水道事業者の料金表でご確認ください。