「無限定適正意見」とは
無限定適正意見とは、監査人が決算書を監査した結果、会計のルールに沿って、会社の財産の状態、もうけ、お金の流れを全ての重要な点で適正に示していると認めたときに表明する意見です。監査報告書で最もよく目にする、いわば「問題なし」の意見です。
📌 投資判断のポイント
監査人が、決算書が会計のルールに沿って全ての重要な点で適正に示されていると認めたときの意見。業績の良さや倒産しないことを保証するものではない。
無限定適正意見はどういう仕組み?
財務諸表等の監査証明に関する内閣府令では、無限定適正意見の場合、監査の対象となった決算書が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、その事業年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を全ての重要な点において適正に表示していると認められる旨を記載するとしています。監査の意見は、無限定適正意見、除外事項を付した限定付適正意見、不適正意見の3種類に、意見を表明しない意見不表明を加えた4つの形があります。
無限定適正意見の具体例と注意点は?
上場会社の有価証券報告書の後ろに付く監査報告書を開くと、ほとんどの会社で無限定適正意見が表明されています。注意したいのは、この意見は「決算書が正しく作られている」ことについての意見で、会社の業績が良い、倒産しない、株価が上がる、ということを保証するものではない点です。また、意見の対象は重要な点に限られ、全ての取引を一つ残らず調べた結果でもありません。
無限定適正意見でも読んでおきたい箇所
無限定適正意見の監査報告書にも、読む価値のある情報があります。一つは、監査人が特に重要だと判断した事項を説明する「監査上の主要な検討事項」です。もう一つは、会社が事業を続けられるかに重要な疑いがあるときに書かれる、継続企業の前提に関する記載です。意見が「問題なし」でも、これらの欄に何が書かれているかで、監査人がどこに注目したかが分かります。
監査報告書の形の変化
日本の監査報告書は、2018年の監査基準の改訂で、監査人の意見を冒頭に書く形に変わりました。また、監査上の主要な検討事項の記載は、2021年3月期の決算から上場会社などで本格的に始まりました。以前は、ほとんどの会社で同じような定型の文章が並んでいましたが、今は会社ごとに、監査人がどこに注意を向けたかが具体的に書かれます。意見の一言だけでなく、その後ろの説明まで読むと、決算書のどこに見積もりや判断が多く含まれているかが分かります。
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無限定適正でも将来の業績を保証したものではなく、確かめられたのは過去の数字の作り方にすぎない。むしろ読む価値があるのは監査上の主要な検討事項で、監査人がどこを難所と見たかがそのまま会計リスクの地図になる。
財務諸表の一部に問題があっても、全体としてはおおむね適正と監査人が判断したときの意見。監査報告書に除外した項目と理由が書かれるため、その項目が業績の判断にどう響くかを読むことが出発点になる。
財務諸表に重要で影響の広い誤りがあり、全体として適正でないと監査人が判断したときの監査意見。上場企業では上場廃止の基準に関わることもある。
監査人が必要な監査証拠を得られず、財務諸表が適正かどうかの意見を表明しないこと。4種類ある監査意見の中で最も重い部類に入る。上場会社では上場廃止の審査につながることがある。
監査人が当期の財務諸表の監査で特に重要だと判断した事項と、その対応を監査報告書に書いたもの。監査意見そのものではないが、会社の決算で見積もりや判断の難しい箇所がどこかを示す。
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