意見不表明

企業分析
よみ:いけんふひょうめい
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「意見不表明」とは

監査人が、財務諸表が適正かどうかについての意見を表明しないことです。英語ではDisclaimer of Opinionといいます。

📌 投資判断のポイント

監査人が必要な監査証拠を得られず、財務諸表が適正かどうかの意見を表明しないこと。4種類ある監査意見の中で最も重い部類に入る。上場会社では上場廃止の審査につながることがある。

意見不表明はどういう仕組み?

監査人は、監査の結論として監査報告書に監査意見を書きます。監査意見には、無限定適正意見、限定付適正意見、不適正意見、意見不表明の4種類があります。

意見不表明になるのは、監査人が意見の基礎となる十分かつ適切な監査証拠を入手できず、その影響が財務諸表全体に及ぶ可能性がある場合です。たとえば、重要な子会社の帳簿が提出されない、取引の実在を確かめる資料が得られない、といった状況が当てはまります。財務諸表が正しいとも誤っているとも判断できないため、意見そのものを出さないという結論になります。

意見不表明の具体例と注意点は?

上場会社で意見不表明の監査報告書が出ると、証券取引所は上場廃止に当たるかどうかの審査を行います。東京証券取引所の上場廃止基準には、監査報告書に「意見の表明をしない」旨が記載され、直ちに上場を廃止しなければ市場の秩序を維持することが困難であることが明らかな場合が含まれています。上場廃止に至らなくても、特別注意銘柄に指定されることがあります。

意見不表明が公表されると、株価は大きく下落するのが一般的です。背景に不正な会計処理の疑いや、第三者委員会の調査が長引いているといった事情があることも多く、決算の発表が延期されたり、有価証券報告書の提出期限が延長されたりすることが前触れになります。

有価証券報告書は、原則として事業年度の終了後3か月以内に提出しなければなりません。承認を受けた延長期限までにも提出できない場合、それ自体が上場廃止の基準に当たります。意見不表明の監査報告書を付けて期限内に提出するか、提出そのものを遅らせるかは、会社の置かれた状況によって異なります。

限定付適正意見との違い

限定付適正意見は、一部に問題があるものの、その影響が財務諸表全体には及ばないと判断した場合の意見です。問題のある箇所を除けば適正だという結論なので、財務諸表は投資判断に使えます。意見不表明は財務諸表全体について判断ができない状態で、投資判断の前提となる数字そのものが信頼できるか分からないという点で、重さが大きく異なります。

関連用語

企業分析 の他の用語

🏷 関連タグ

監査 監査意見 上場廃止

RECOMMENDED COURSE

この用語を、講座で体系的に学ぶ

意味だけでなく、投資判断にどう使うかまで専門家から学べます。

講座を見る →

⚠️ ご利用にあたって

本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。

講座を見る → 無料ガイドを受け取る