監査上の主要な検討事項(KAM)

企業分析
よみ:かんさじょうのしゅようなけんとうじこう
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「監査上の主要な検討事項(KAM)」とは

監査人(公認会計士や監査法人)が、その年度の財務諸表の監査で特に重要であると判断した事項のことです。英語のKey Audit Mattersの頭文字からKAM(カム)と呼ばれ、監査報告書に記載されます。

📌 投資判断のポイント

監査人が当期の財務諸表の監査で特に重要だと判断した事項と、その対応を監査報告書に書いたもの。監査意見そのものではないが、会社の決算で見積もりや判断の難しい箇所がどこかを示す。

監査上の主要な検討事項はどういう仕組み?

以前の日本の監査報告書は、ほぼ定型文で、財務諸表が適正かどうかの結論(監査意見)を伝えるだけでした。これでは監査の中身が投資家に見えないとして、監査基準が改訂され、KAMの記載が導入されました。金融商品取引法に基づく監査では、2021年3月31日以後に終了する事業年度から適用されています。

KAMに書かれるのは、監査役等と協議した事項の中から、特に注意を払った事項です。それぞれについて、なぜ重要だと判断したのかと、監査でどのように対応したのかが説明されます。

監査上の主要な検討事項の具体例と注意点は?

よく取り上げられるのは、のれんの減損の判定、繰延税金資産の回収可能性、収益の計上時期、棚卸資産の評価など、経営者の見積もりや判断が大きく影響する項目です。たとえば大型の買収をした会社では、買収で生じたのれんに減損が必要かどうかがKAMとして書かれることがよくあります。

KAMに書かれたからといって、その項目に誤りがあるという意味ではありません。監査意見が無限定適正であっても、KAMは記載されます。一方で、同じ項目が何年もKAMに挙がり続ける場合は、その見積もりが業績の変動要因であり続けていると読めます。

KAMは有価証券報告書の監査報告書の部分に載っており、金融庁の電子開示システムEDINETで誰でも読めます。同業の複数の会社のKAMを並べると、業界に共通する判断の難しさと、その会社に固有の論点を見分けられます。前年と比べて新しく加わったKAMは、その年に何が変わったかを示す手がかりになります。反対に、前年まであったKAMが外れた場合は、その論点が落ち着いたと監査人が判断したと読めます。

監査意見との違い

監査意見は、財務諸表が適正かどうかについての監査人の結論で、無限定適正意見、限定付適正意見、不適正意見、意見不表明の4つがあります。KAMは結論ではなく、結論に至るまでに監査人が重点を置いた点の説明です。投資家は監査意見で決算の信頼性を確かめ、KAMで決算のどこに判断の幅があるかを知る、という使い分けができます。

関連用語

企業分析 の他の用語

🏷 関連タグ

監査 監査報告書 KAM

RECOMMENDED COURSE

この用語を、講座で体系的に学ぶ

意味だけでなく、投資判断にどう使うかまで専門家から学べます。

講座を見る →

⚠️ ご利用にあたって

本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。

講座を見る → 無料ガイドを受け取る