「不適正意見」とは
監査人が、会社の財務諸表には重要で影響の広い誤りがあり、全体として適正に表示されていないと判断したときに表明する監査意見のこと。
📌 投資判断のポイント
財務諸表に重要で影響の広い誤りがあり、全体として適正でないと監査人が判断したときの監査意見。上場企業では上場廃止の基準に関わることもある。
不適正意見はどういう仕組み?
公認会計士や監査法人による監査意見には、問題がないことを示す「無限定適正意見」、一部に問題があるがその部分を除けば適正とする「限定付適正意見」、財務諸表全体が適正でないとする「不適正意見」、十分な証拠が得られず意見そのものを出せない「意見不表明」がある。不適正意見は、誤りの影響が財務諸表の一部にとどまらず全体に及ぶと監査人が判断した場合に出される、最も厳しい評価の一つである。
不適正意見の具体例と注意点は?
上場企業が不適正意見や意見不表明を受けると、決算書の数字そのものが信頼できない状態とみなされ、取引所の上場廃止の基準に関わることもある。株価への影響も大きい。投資家としては、監査報告書の意見の種類を確認する習慣をつけるとともに、監査法人の交代や決算発表の延期といった前触れの情報にも注意しておきたい。
限定付適正意見との違い
限定付適正意見は、誤りなどの影響が重要ではあっても財務諸表の一部にとどまり、その部分を除けば全体として適正と言える場合に出される。不適正意見は、その影響が重要で、しかも財務諸表全体に広く及ぶ場合に出される。どちらも「除外事項付き」の意見だが、不適正意見は財務諸表全体の信頼性を否定する点で重さがまったく違う。
数値でみる
監査意見はおおむね4種類(無限定適正意見、限定付適正意見、不適正意見、意見不表明)に分かれ、日本の上場企業が受けるのは大半が無限定適正意見である。金融商品取引法は、上場企業などが提出する財務諸表について、利害関係のない公認会計士または監査法人の監査証明を受けることを求めている(第193条の2)。
投資家が気をつけたいこと
監査意見は、決算書が会社の財政状態や業績を適正に表しているかについての監査人の結論であり、会社の経営が健全かどうかや株価が割安かどうかを保証するものではない。無限定適正意見だからといって安心しきらず、「継続企業の前提に関する注記」や「監査上の主要な検討事項」の記載もあわせて読みたい。有価証券報告書の提出期限である事業年度終了後3か月以内に監査報告書がそろわず、提出の延期が発表された場合も、注意が必要な合図の一つである。
関連用語
無限定適正でも将来の業績を保証したものではなく、確かめられたのは過去の数字の作り方にすぎない。むしろ読む価値があるのは監査上の主要な検討事項で、監査人がどこを難所と見たかがそのまま会計リスクの地図になる。
会計士が財務諸表の適正性について述べた意見。無限定適正・限定付適正・不適正・意見不表明の4種類があり、意見が変わったときは事業の異変を示す合図です。
株式会社の計算書類を外部の専門家として監査する役割で、公認会計士か監査法人に限られる。資本金5億円以上または負債200億円以上の大会社には設置が義務づけられている。
利益を良く見せるために決算書の数字をゆがめる行為。利益は増えても現金は増えないため、利益と営業キャッシュフローの差が広がり続ける会社には注意したい。
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