「真実性の原則」とは
真実性の原則は、会社の会計は財政状態と経営成績について真実な報告をしなければならない、という会計の大もとのルールです。企業会計原則の7つの一般原則の最初に置かれ、ほかの原則はすべてこの原則を支えるためにあると考えられています。
📌 投資判断のポイント
会計は会社の財政状態と経営成績を真実に報告しなければならないという、企業会計原則の一般原則の第一。判断や方法の選択が入るため、求められるのは相対的な真実とされる。
真実性の原則はどういう仕組み?
ここでいう真実は、たった一つの正解という意味ではなく「相対的な真実」だと説明されます。会計には、機械が何年使えるかの見積もりや、減価償却の方法の選択など、判断が入る場面がたくさんあるからです。同じ取引でも、認められた方法の中から何を選ぶかで利益の額は変わります。そのため、ルールに沿って選んだ方法を毎年続けて使い、選んだ内容を注記で示していれば、数字が会社ごとに違っても真実な報告とみなされます。正規の簿記の原則や継続性の原則、明瞭性の原則は、この相対的な真実を確保するための具体的なルールです。
真実性の原則の具体例と注意点は?
例えば、同じ1,000万円の機械を買った2社が、一方は定額法、もう一方は定率法で減価償却をしていれば、1年目の利益は違って見えます。どちらも認められた方法なので、どちらかがうそをついているわけではありません。逆に、売上を前倒しで計上したり、費用を隠したりして実態と違う数字を出すことは、この原則に真っ向から反します。決算書を読む側は、会計方針の注記を見て、どの方法を選んでいるかを確かめると、他社との比較で判断を誤りにくくなります。
真実性の原則とほかの一般原則の関係
企業会計原則の一般原則は、真実性、正規の簿記、資本取引・損益取引区分、明瞭性、継続性、保守主義、単一性の7つです。2つ目以降は、真実な報告をどう実現するかを分担しています。正しく記録すること(正規の簿記)、元手ともうけを混ぜないこと(資本取引・損益取引区分)、分かりやすく示すこと(明瞭性)、方法をむやみに変えないこと(継続性)、慎重に見積もること(保守主義)、帳簿を一つにすること(単一性)です。決算書を読む人にとっては、どれか一つが崩れていないかを確かめることが、真実性を確かめることにつながります。例えば、毎年のように会計方針を変えている会社や、注記の説明が極端に少ない会社は、ほかの会社より慎重に数字を読む必要があります。真実性の原則は、監査法人が決算書に意見を出すときの土台にもなっています。
関連用語
日本の会計の基本的な考え方をまとめたルールで1949年に公表。真実性・継続性・保守主義など7つの一般原則を含み、今も会計基準の土台にある。
すべての取引を漏れなく、証拠で確かめられる形で、筋道立てて記録するよう求める原則。代表的な方法は複式簿記で、青色申告の65万円控除の条件にも関わる。
必要な会計の事実を分かりやすく示し、読む人の判断を誤らせないよう求める原則。段階別の利益の表示、総額での表示、会計方針の注記などはこの考え方の表れ。
一度選んだ会計処理の方法を、正当な理由なく毎期変えてはならないという原則。利益の操作を防ぎ、期間ごとの比較を可能にするためにある。
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