「正規の簿記の原則」とは
正規の簿記の原則は、すべての取引をきちんとした帳簿の付け方で記録し、正確な会計帳簿を作るよう求める会計の原則です。企業会計原則の7つの一般原則の一つです。
📌 投資判断のポイント
すべての取引を漏れなく、証拠で確かめられる形で、筋道立てて記録するよう求める原則。代表的な方法は複式簿記で、青色申告の65万円控除の条件にも関わる。
正規の簿記の原則はどういう仕組み?
正しい帳簿の条件として、一般に3つが挙げられます。1つ目は、取引を漏れなく記録していること(網羅性)。2つ目は、領収書や請求書などの証拠と照らし合わせて確かめられること(検証可能性)。3つ目は、日付順に整理され、帳簿から決算書までが筋道立ってつながっていること(秩序性)です。この条件を満たす代表的な方法が複式簿記で、一つの取引を原因と結果の両面から記録するため、記録の誤りに気づきやすくなっています。
正規の簿記の原則の具体例と注意点は?
この原則は個人事業の税金にも関係します。青色申告で最高65万円(条件により55万円)の特別控除を受けるには、正規の簿記の原則、一般的には複式簿記で記帳し、貸借対照表と損益計算書を申告書に添付することが条件の一つです。簡単な帳簿だけでつけている場合、控除は10万円にとどまります。なお、重要性の乏しいものを簡便に処理することは、この原則に従った処理として認められています。一方で、帳簿に載せない資産や借金をわざと作ることは認められません。
単式簿記と複式簿記の違い
家計簿のように、現金の出入りだけを1行ずつ書く方法を単式簿記といいます。分かりやすい反面、借金や売掛金、設備などの財産の増減は追いにくく、記録の誤りにも気づきにくい方法です。複式簿記では、例えば商品を10万円で掛け売りしたら「売掛金が10万円増えた」と「売上が10万円あった」を同時に記録します。左右の合計がいつも一致するので、計算の誤りを見つけやすく、帳簿から貸借対照表と損益計算書の両方を作れます。正規の簿記の原則が求める条件を満たしやすいのはこのためで、国税庁も青色申告の55万円控除の要件を「正規の簿記の原則(一般的には複式簿記)」と説明しています。なお、65万円の控除を受けるには、55万円の要件に加えて、e-Taxで申告するか、帳簿を優良な電子帳簿として保存することが必要です。
関連用語
日本の会計の基本的な考え方をまとめたルールで1949年に公表。真実性・継続性・保守主義など7つの一般原則を含み、今も会計基準の土台にある。
ひとつの取引を借方と貸方の2つの面から左右同額で記録する帳簿のつけ方。集計すると貸借対照表と損益計算書が同時にでき、借入と売上のように利益への影響の違いも区別できる。
青色申告は帳簿を整えることで税務上のメリットを受けられる申告制度。事業管理にも役立つ。
勘定科目ごとに全取引の増減を集めた帳簿で、会社の帳簿の中心。仕訳帳から転記して作り、各科目の残高を一覧にすると試算表になる。補助簿と組み合わせて使う。
重要性の乏しいものは簡単な方法で処理してもよいとする会計の考え方。少額の消耗品を買ったときに費用にするのが代表例で、逆に重要なものは厳密に処理し注記で示す。
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