「継続性の原則」とは
継続性の原則は、会社がいったん選んだ会計処理の方法を、正当な理由なく毎期変えてはならないという会計の原則です。企業会計原則の7つの一般原則の一つです。
📌 投資判断のポイント
一度選んだ会計処理の方法を、正当な理由なく毎期変えてはならないという原則。利益の操作を防ぎ、期間ごとの比較を可能にするためにある。
継続性の原則はどういう仕組み?
会計では、同じ取引にも複数の処理方法が認められていることがあります。例えば、減価償却の定額法と定率法、棚卸資産の評価方法などです。どれを選ぶかで各期の利益は変わるため、会社が都合に合わせて方法を切り替えると、利益を操作できてしまい、前期との比較もできなくなります。そこで、一度選んだ方法は継続して使い、変える場合は正当な理由が必要とされています。決算書を前の年と比べて読めるのは、この原則があるからです。
継続性の原則の具体例と注意点は?
例えば取得価額1,000万円・耐用年数10年の機械なら、定額法では1年目の減価償却費は100万円ですが、定率法では200万円になることがあります(償却率0.200の場合)。同じ機械でも、方法を変えるだけで1年目の利益が100万円も動くわけです。正当な理由として認められるのは、会計基準の改正や、事業内容の変化により別の方法のほうが実態をよく表すようになった場合などです。方法を変えたときは、変更の内容や理由、影響額を注記で開示することが求められます。
継続性の原則とよくある誤解
継続性の原則は、会計処理の方法を一切変えてはいけないという意味ではありません。変えること自体は認められていますが、正当な理由と十分な説明が必要だという原則です。決算書を読む側は、会計方針の変更の注記があったら、利益の増減が本業の変化によるものか、計算方法の変更によるものかを見分けることが大切です。変更の影響額が注記に書かれていれば、その額を差し引いて前の年と比べると、本業の実力の変化が見えてきます。
決算書のどこを見るか
有価証券報告書の経理の状況では、会計方針の変更があった場合、その内容と理由、前の年の数字を新しい方法でさかのぼって直したかどうか、影響額などが注記として載ります。決算短信でも、会計方針の変更の有無が冒頭の注記事項に書かれています。前の年と比べて利益が急に増えたり減ったりしたときは、まずこの欄を確かめる習慣をつけると、数字の動きを読み違えにくくなります。変更が2年、3年と続く会社は、なぜそれほど頻繁に方法を見直すのか、理由の説明も丁寧に読みたいところです。
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