「債務名義」とは
強制執行(差押え)をするために必要な、請求権があることを公に証明する文書のことです。お金を貸した側も、これがなければ相手の財産を差し押さえられません。
📌 投資判断のポイント
差押えなどの強制執行をするために必要な文書。確定判決、仮執行宣言付きの支払督促、執行証書などが民事執行法第22条に列挙されている。支払督促は受け取ってから2週間が異議の目安。
債務名義はどういう仕組み?
民事執行法第22条は、強制執行は債務名義によって行うと定め、その種類を列挙しています。代表的なものは、確定判決、仮執行の宣言を付した判決、仮執行の宣言を付した支払督促、執行証書、裁判上の和解調書や調停調書など確定判決と同一の効力を持つものです。
執行証書とは、公証人が作成した公正証書のうち、一定額の金銭の支払いについて、債務者が直ちに強制執行に服する旨を書いたものです。裁判を経ずに債務名義になる点が特徴で、養育費や事業者間の貸し借りでよく使われます。
債務名義を得ても、それだけで財産が動くわけではありません。実際に差し押さえるには、裁判所に強制執行を申し立て、差し押さえる財産(給与、預金、不動産など)を特定する必要があります。
債務名義の具体例と注意点は?
借金を長く滞納すると、貸した側は支払督促や訴訟を起こして債務名義を取り、給与や預金の差押えに進むことがあります。裁判所から支払督促が届いたら、受け取った日から2週間以内に督促異議を申し立てないと仮執行の宣言が付され、差押えができる状態になります。
給与を差し押さえられる範囲には上限があります。原則として手取り額の4分の1までで、手取りが月44万円を超える場合は、月33万円を超える部分をすべて差し押さえられます。残りは生活のために手元に残る仕組みです。
届いた書類を放置しない
裁判所から届く書類を無視しても、手続きは止まりません。異議を出せば通常の訴訟に移り、分割払いの和解を話し合う余地が生まれます。書類の差出人が本当に裁判所かどうかは、書類に書かれた電話番号ではなく、裁判所の所在地と連絡先を自分で調べて問い合わせて確かめます。裁判所を名乗って金銭を振り込ませる架空請求もあるためです。
強制執行には、債務名義に加えて、その債務名義で執行してよいことを示す執行文が原則として必要です。執行文は裁判所書記官や公証人が付けます。仮執行の宣言を付した支払督促など、一部の債務名義では執行文が要りません。
出典: e-Gov法令検索「民事執行法」
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