「支払督促」とは
金銭などの支払いを求める請求について、債権者の申立てに基づいて簡易裁判所の裁判所書記官が債務者に支払いを命じる、民事訴訟法上の略式の手続。
📌 投資判断のポイント
債権者の申立てにより簡易裁判所の裁判所書記官が支払いを命じる略式の手続。債務者は送達日の翌日から2週間、理由を示さずに督促異議を申し立てられる。異議を出せば請求額140万円を境に簡易裁判所か地方裁判所の訴訟へ移行する。
支払督促はどういう仕組み?
対象は「金銭、有価証券、その他の代替物の給付に係る請求」で、債権者の申立てにより、その主張から請求に理由があると認められる場合に支払督促が発せられる。判決と違い、裁判官による審理も口頭弁論も行われず、債務者の言い分を聞かずに書類審査だけで発付される点が特徴である。債務者に支払督促の正本が送達されると、送達日の翌日から2週間、債務者は督促異議の申立てができる。異議の申立てに理由は必要ない。異議が出されると、請求額に応じて地方裁判所または簡易裁判所の民事訴訟の手続へ移行する。移行先の区分は請求額で決まり、140万円以下なら簡易裁判所、140万円を超える場合は地方裁判所である。異議がなかった場合、債権者は送達日の翌日から起算して2週間目の翌日から30日以内に仮執行宣言の申立てをすることができる。
支払督促の具体例と注意点は?
注意点は、届いた書類を放置することが最も不利になるという点である。2週間の期間内に督促異議を申し立てなければ、仮執行宣言が付され、給与や預金の差押えといった強制執行の手続に進む足がかりができてしまう。金額や請求の内容に心当たりがない場合でも、まず期間内に異議を申し立てて通常の訴訟の場で争う形にするのが基本である。もう一つの注意点は、裁判所名をかたった架空請求に使われることがある点で、裁判所も「支払督促」を利用した架空請求への注意を呼びかけている。書類に記載された裁判所へ自分で連絡して事件番号を確かめるのが確実である。
少額訴訟・通常訴訟との違い
通常訴訟は裁判官が口頭弁論を開いて双方の主張と証拠を審理し、判決を出す。少額訴訟は60万円以下の金銭の支払を求める場合に限られ、原則として1回の期日で審理を終える手続である。支払督促は裁判所書記官が書類審査だけで発付するため、申立てから発付までが早く、債権者にとっては簡便である。その代わり、債務者が督促異議を申し立てれば手続はそのまま訴訟へ移り、簡便さの利点は消える。債務者の側から見れば、異議を申し立てる権利が2週間だけ与えられた手続と理解しておくとよい。
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