「掛け売り」とは
商品やサービスを先に渡し、代金は後日まとめて受け取る売り方。会社どうしの取引では、月末締め・翌月末払いのような形が一般的である。
📌 投資判断のポイント
先に渡して、代金は後でもらう売り方。売上はすぐ帳簿に載るのに現金は後から入るため、利益と手元のお金がずれる典型的な原因になる。黒字倒産を理解する入口の一つ。
掛け売りはどういう仕組み?
掛け売りでは、売った時点で売上を計上し、まだ受け取っていない代金を売掛金として資産に記録する。実際にお金が入るのは、取り決めた支払日になってからである。取引のたびに現金を受け渡す手間が省け、取引先との継続的な関係を作りやすい一方、売ってから入金までの間は、仕入れ代金や給料を自分の手元資金で立て替える必要がある。そのため、掛け売りが増えるほど、帳簿上は利益が出ていても手元の現金が減るという、利益と現金のずれが生まれる。入金を待つ期間を短くするため、早く払ってくれた相手に値引きをしたり、売掛金を専門の会社に買い取ってもらったりする方法もある。
掛け売りの具体例と注意点は?
例えば10月に100万円分を掛けで売り、支払いが12月末なら、10月の帳簿には売上100万円が載るのに、現金は2か月後まで入らない。その間に仕入れ代金の支払いが先に来ると、黒字でも支払いに困ることがある。また、相手の会社が倒産すると代金を回収できない貸し倒れの危険もある。新しい取引先と掛け取引を始めるときは、取引の上限額を決めておくことが、回収できない事態に備える基本になる。
掛け売りと現金売りの違い
現金売りは商品と引き換えにその場で代金を受け取る売り方で、売上と現金の入金が同時に起こる。掛け売りは売上だけが先に立ち、現金は後から入る。小売店のように一般の消費者に売る商売は現金売り(カードや電子マネーを含む)が多く、会社どうしの取引は掛け売りが中心になる。
決算書での読み方
掛け売りの代金がどれくらいの期間で回収されているかは、売掛金を1日あたりの売上高で割った「売上債権回転日数」で測れる。年間売上が3億6,500万円、売掛金が6,000万円なら、1日の売上は100万円で、回収に約60日かかっている計算だ。この日数が年々延びている会社は、回収が遅れている可能性がある。
掛け売りの条件は、業界の慣行や相手との力関係で決まることが多い。取引先の立場が強いと支払いまでの期間が長くなりやすく、その分だけ売る側は手元資金を厚く持っておく必要がある。日本政策金融公庫は、月ごとの入金と支払いを書き出す資金繰り表の書式を公開しており、掛け売りの多い事業ではこうした表で入金の遅れを先回りして確かめるとよい。出典: 日本政策金融公庫「各種書式ダウンロード(国民生活事業)」
関連用語
制度・取引 の他の用語
🏷 関連タグ
⚠️ ご利用にあたって
本用語解説は情報提供を目的としており、特定の金融商品の購入を推奨するものではありません。投資判断は最終的にご自身の責任で行ってください。