「TCFD」とは
TCFDとは、気候変動が会社の財務に与える影響の開示を求めた、気候関連財務情報開示タスクフォースのことです。主要国の金融当局でつくる金融安定理事会(FSB)が2015年に設けました。
📌 投資判断のポイント
気候変動が会社の財務に与える影響の開示を求めたタスクフォース。2017年にガバナンス・戦略・リスク管理・指標と目標の4つの柱を示し、2023年にISSBへ引き継いで解散した。
TCFDはどういう仕組み?
TCFDは2017年に提言を公表し、気候に関する情報を「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4つの柱で開示するよう求めました。気候変動を環境問題としてだけでなく、規制の強化や技術の変化による「移行リスク」と、大雨や海面上昇などによる「物理的リスク」として、会社のお金の流れにどう効いてくるかを示すのが特徴です。
TCFDの具体例と注意点は?
例えば電力会社なら、炭素の価格が上がったときに燃料費や設備の価値がどう変わるか、気温が2度上がる場合と4度上がる場合でどうなるかといったシナリオ分析を示します。シナリオ分析は将来の仮定に基づくため、前提が会社ごとに違い、そのまま数字を比べられない点に注意が必要です。
ISSBへの引き継ぎ
TCFDの提言は、国際サステナビリティ基準審議会(ISSB)が2023年6月に公表した気候関連の基準(IFRS S2)に取り入れられました。これを受けてTCFDは2023年10月に解散し、各社の取り組みの状況を確かめる役割はISSBに引き継がれています。現在も「TCFD提言に沿った開示」という言い方は残っていますが、基準としてはISSBやSSBJの基準が後を継いでいます。
日本での広がり
東京証券取引所のコーポレートガバナンス・コードは、2021年の改訂で、プライム市場の上場会社にTCFDかそれと同等の枠組みに基づく気候関連の開示の充実を求めました。このため日本では、統合報告書や有価証券報告書に4つの柱に沿った説明を載せる会社が多くなっています。
よくある誤解
「TCFDは解散したので気にしなくてよい」というのは誤りです。TCFDの4つの柱の考え方は、ISSBやSSBJの気候の基準の骨組みとしてそのまま生きています。過去の報告書をTCFDの枠組みで読めるようにしておくと、新しい基準での開示も理解しやすくなります。
関連用語
IFRS財団のもとでサステナビリティ開示の国際基準を作る国際サステナビリティ基準審議会。2023年6月にIFRS S1とS2を公表した。
ISSB基準をもとに日本のサステナビリティ開示基準を作るサステナビリティ基準委員会。2025年3月に基準を公表し、大規模なプライム上場会社から順に適用される予定。
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