「個別法」とは
個別法とは、在庫の一つひとつについて、実際にいくらで仕入れたかを記録しておき、売れた品物の仕入れ値をそのまま売上原価にする在庫の評価方法です。高額で、一点ごとに値段が違う品物に向いています。
📌 投資判断のポイント
在庫一つひとつの実際の仕入れ値を記録し、売れた品物の仕入れ値をそのまま売上原価にする評価方法。不動産や宝石など一点ごとに値段が違う品物に向く。
個別法はどういう仕組み?
在庫の評価方法には、先に仕入れたものから売れたと考える先入先出法や、仕入れ値を平均する総平均法・移動平均法などがあります。個別法は、そうした仮定を置かず、どの品物が売れたかを一つずつ特定します。法人税法施行令では、個別法を、期末の在庫の全部について、その個々の取得価額をその取得価額とする方法と定めています。そのうえで、通常一つの取引で大量に仕入れ、規格に応じて値段が決まっているものには、個別法を選べないとしています。大量に同じ品物を扱う場合、どれが売れたことにするかを選べると、利益を操作できてしまうためです。
個別法の具体例と注意点は?
例えば、中古車店が3台の車を120万円、150万円、200万円で仕入れ、150万円の車を180万円で売ったとします。個別法では売上原価は150万円で、もうけは30万円です。期末の在庫は残りの2台の320万円になります。不動産の販売、宝石や美術品、注文を受けて作る大型の機械などで使われます。注意したいのは、一点ごとの記録に手間がかかるため、日用品のように同じものを大量に扱う商売には向かない点です。
個別法と先入先出法の違い
先入先出法では、実際にどの品物が売れたかに関係なく、古いものから順に売れたと考えて売上原価を計算します。個別法は、実際に売れた品物そのものの仕入れ値を使います。値段が一点ごとに大きく違う品物では、個別法のほうが実態に近いもうけが分かります。南アフリカの高校の会計の授業でも、在庫の評価方法として、個別法、先入先出法、加重平均法の3つを学びます。
税金の計算での選び方
法人税の計算では、会社は在庫の評価方法を、事業の種類や、商品・製品・仕掛品・原材料といった在庫の区分ごとに選び、税務署長に書面で届け出ます。新しく設立した会社は、設立した日の属する事業年度の確定申告書の提出期限までに届け出ます。届け出をしなかった場合は、期末に最も近い時期に仕入れた値段で在庫を評価する最終仕入原価法を使うことになります。個別法を使いたい場合も、この届け出が必要です。
関連用語
先に仕入れた商品から先に売れたとみなして売上原価を計算する方法。仕入値が上がる時期は売上原価が小さく出やすく、期末の在庫は新しい単価で評価される
一定期間の仕入れの合計金額を合計数量で割った平均単価で、売上原価と期末の在庫を計算する方法。計算は簡単だが、期間が終わるまで単価が決まらない
仕入れのたびに在庫と合わせた平均単価を計算し直し、その単価で売上原価を求める方法。株価チャートの移動平均線とは別物で、単価の上下がならされて表れる
販売のために持つ商品・製品・仕掛品・原材料などの総称で、貸借対照表の流動資産に計上される。期末の評価額が売上原価と利益を左右する。売上が伸びないのに増えているなら売れ残りを疑う。
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