先入先出法

企業分析
よみ:さきいれさきだしほう
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「先入先出法」とは

先入先出法とは、棚卸資産の払い出し単価を決める方法の一つで、先に仕入れたものから先に売れたとみなして売上原価を計算するやり方である。英語ではFIFOと呼ばれる。

📌 投資判断のポイント

先に仕入れた商品から先に売れたとみなして売上原価を計算する方法。仕入値が上がる時期は売上原価が小さく出やすく、期末の在庫は新しい単価で評価される

先入先出法はどういう仕組み?

同じ商品でも、仕入れた時期によって単価が違うことがある。売れた商品の原価をどの単価で計算するかによって、売上原価と期末に残る在庫の金額が変わる。先入先出法では古い単価から順に売上原価へ回すため、期末の在庫は新しく仕入れた単価で評価される。実際の商品の流れと近いことが多く、在庫の金額が直近の仕入値に近くなるのが特徴である。日本の会計基準では、個別法、先入先出法、平均原価法、売価還元法が認められている。

先入先出法の具体例と注意点は?

例えば単価100円で10個、次に単価120円で10個仕入れ、15個売れたとする。先入先出法では売上原価は100円×10個+120円×5個の1,600円、期末在庫は120円×5個の600円になる。仕入値が上がり続ける時期は、売上原価が小さく出て利益が大きく見えやすい。会社がどの方法を使っているかは有価証券報告書の注記で確認でき、同業他社と比べるときの前提になる。

ほかの方法との違い

同じ取引でも、平均原価法の一つである移動平均法では、仕入れのたびに平均単価を出し直すため、単価の変化がならされる。最後に仕入れたものから売れたとみなす後入先出法は、日本の会計基準では使えない。評価方法は一度決めたらむやみに変えないことが求められており、変えた場合はその理由と影響が注記で説明される。

決算書を読むときの注意点

物価が年3%ずつ上がるような時期には、先入先出法を使う会社の売上原価は古い安い単価で計算されるため、実際に次に仕入れるときの値段より低く出る。その分だけ売上総利益が大きく見えることがあり、在庫を多く抱える小売業や卸売業ではこの差が目立ちやすい。逆に、仕入値が下がる時期には利益が小さく見える。同業の2社を比べるときは、在庫の評価方法がそろっているかを注記で確かめ、違う場合は利益率の差の一部が評価方法から来ている可能性を考えたい。海外の高校の上級の会計の授業でも、評価方法による利益の違いは比べて学ぶ定番の題材になっている。

関連して知っておきたいこと

あわせて押さえたいのは、平均原価法の一つである移動平均法、日本では使えなくなった後入先出法、そして棚卸資産と売上原価の関係である。在庫の評価方法は、売上総利益の大きさを左右する入り口になっている。

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