売上原価

企業分析
よみ:うりあげげんか
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 株価・企業を分析する ★★ 標準

「売上原価」とは

その期に売れた商品や製品を仕入れたり作ったりするのにかかった費用。損益計算書で売上高のすぐ下に置かれる。

📌 投資判断のポイント

売れた分だけを費用にするのが売上原価の考え方。期末在庫の数え方ひとつで利益が動くため、在庫が売上より速く増えていないかを合わせて確かめると、決算の数字の確かさが見えてくる。

売上原価はどういう仕組み?

売上原価は、仕入れた金額の合計ではなく「売れた分」に対応する費用である。小売業や卸売業では、期首の商品在庫に当期の仕入高を足し、期末に残った在庫を差し引いて計算する。売れ残った商品は費用にせず、棚卸資産として貸借の表に残す仕組みである。製造業では、材料費・工場で働く人の人件費・工場の経費などを集めて製造原価を出し、そのうち売れた製品の分が売上原価になる。売上高から売上原価を引いたものが売上総利益(粗利益)で、損益計算書の最初の利益にあたる。売上原価をどこまで含めるかは業種や会計方針で違いがあり、物流費や外注費の扱いによって同業他社と比べにくくなることがある。

売上原価の具体例と注意点は?

例えば期首在庫が100万円、当期の仕入れが500万円、期末在庫が120万円なら、売上原価は480万円になる。注意したいのは、期末在庫を多めに数えると売上原価が小さくなり、利益が大きく見える点である。在庫が売上の伸び以上に膨らんでいる会社は、売れ残りや評価の甘さがないかを確かめたい。売上原価率の推移と、棚卸資産の増え方を合わせて見ると、値上げが通っているかや仕入れ値の上昇を吸収できているかが読み取れる。

売上原価と販売費及び一般管理費の違い

売上原価は「売れた商品そのもの」にかかった費用で、販売費及び一般管理費(販管費)は「売るための活動や会社の運営」にかかった費用である。店員の給料、広告費、本社の家賃などは販管費に入る。同じ人件費でも、工場で製品を作る人の分は売上原価、営業や事務の人の分は販管費に分かれる。売上総利益から販管費を引いたものが営業利益になる。

決算書での読み方

売上高が1,000万円で売上原価が600万円なら、売上原価率は60%、売上総利益率は40%になる。この割合を数年分並べ、上がっていれば仕入れ値や材料費の上昇を値上げで吸収しきれていない可能性がある。同業他社と比べるときは、売上原価に何を含めているかが会社によって違うことに注意したい。

また、売上原価には在庫の評価方法も影響する。先に仕入れたものから売れたとみなす先入先出法と、平均の単価で計算する移動平均法などでは、仕入れ値が上がる局面で売上原価の額が変わり、同じ取引でも利益に差が出る。

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