中小企業の会計に関する基本要領

制度・取引
よみ:ちゅうしょうきぎょうのかいけいにかんするきほんようりょう
監修:所得向上委員会 編集部(編集責任者:加藤 寛) 編集方針
🗂 制度・取引を理解する ★★ 標準

「中小企業の会計に関する基本要領」とは

中小企業が無理なく使えるように作られた、簡単な会計のルール。「中小会計要領」と略される。2012年1月に取りまとめられ、同年2月に公表された。

📌 投資判断のポイント

中小企業が無理なく使えるように作られた簡単な会計ルールで、中小会計要領と略される。2012年に公表され、金融機関の融資の優遇条件になることもある。

中小企業の会計に関する基本要領はどういう仕組み?

上場会社向けの会計基準は国際的な基準に合わせて改正が続き、内容も複雑である。経理の担当者が少ない中小企業がそのまま使うのは負担が大きい。そこで中小企業の関係者、金融機関、会計の専門家などで作る「中小企業の会計に関する検討会」(金融庁と中小企業庁が事務局)が、中小企業の実態に合わせたルールとしてまとめた。検討の出発点では、経営者が自社の状況をつかめる「経営者に役立つ会計」、金融機関や取引先の信用を得る「利害関係者と繋がる会計」、税務と相性のよい「実務に配慮した会計」、身の丈に合った「実行可能な会計」の4つが目指す姿として示された。専門用語をできるだけ避けて分かりやすく書くこと、記帳を大切な要素とすることも方針に掲げている。

出典: 中小企業の会計に関する検討会「報告書(中間報告)」(2012年2月)

中小企業の会計に関する基本要領の具体例と注意点は?

この要領に沿って決算書を作っているかを確かめるチェックリストを付けて融資を申し込むと、金利や保証料が優遇される制度を設けている金融機関や信用保証協会がある。対象は上場会社や会計監査人を置く会社を除く中小企業で、使うかどうかは任意である。

中小企業の会計に関する指針との違い

2005年に作られた「中小企業の会計に関する指針(中小指針)」は、会計参与を置く会社など一定の水準が求められる中小企業を想定した、より詳しいルールである。中小会計要領はさらに規模の小さい会社を想定し、処理を簡単にしている。どちらを使うかは会社が選べる。

主な決まりの例

中小会計要領では、たとえば有価証券は原則として取得したときの値段で記録し、売買目的で持つものだけ決算日の時価で評価する。棚卸資産(在庫)は取得原価で記録し、時価が大きく下がったときは評価を下げる。引当金は、将来の支出のうち発生の可能性が高く金額を見積もれるものを計上する。いずれも法人税の扱いと大きくずれないように配慮されているので、税務申告用の決算書をそのまま使える場面が多い。会計の専門家がいない会社でも、この要領に沿えば金融機関に説明しやすい決算書を作れる。

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