「単一性の原則」とは
単一性の原則は、目的に応じて形の違う決算書を作ることはあっても、中身は一つの信頼できる会計記録から作らなければならない、とする会計の原則です。企業会計原則の7つの一般原則の一つです。
📌 投資判断のポイント
目的に応じて決算書の形を変えるのはよいが、中身は一つの信頼できる会計記録から作るよう求める原則。銀行向けと税務向けで数字を使い分ける二重帳簿を禁じる。
単一性の原則はどういう仕組み?
会社は、株主総会に出すため、銀行からお金を借りるため、税金の申告のためなど、いろいろな目的で決算書を作ります。目的ごとに求められる書式や詳しさが違うので、形が違うのは問題ありません。しかし、元になる会計記録は一つでなければならず、都合に合わせて事実をゆがめることは認められません。この考え方は「形式は多元、実質は一元」と表現されます。
単一性の原則の具体例と注意点は?
この原則が禁じているのは、いわゆる二重帳簿です。例えば、銀行には利益を大きく見せた決算書を出し、税務署には利益を小さく見せた決算書を出すといったことです。帳簿が一つであれば、どの決算書の数字も同じ記録にさかのぼって確かめられます。なお、会計上の利益と税金計算上の所得が違うことはよくありますが、これは同じ記録から法律の決まりに沿って調整した結果であり、二重帳簿とは別のものです。
形式は多元、実質は一元の例
例えば上場会社は、会社法に基づいて株主総会に出す計算書類と、金融商品取引法に基づいて提出する有価証券報告書の両方を作ります。前者は株主に向けた書類、後者は投資家全体に向けた書類で、記載の範囲や書式が違います。さらに法人税の申告書では、会計上の利益に税法の決まりで加算や減算をして所得を計算します。このように3種類の書類があっても、出発点は同じ帳簿の同じ数字です。例えば会計上の利益が10億円で、税務上は損金にならない交際費が1億円あれば、所得は11億円として計算されます。数字の違いがどこから生まれたかを説明できることが、単一性の原則を守っている証拠になります。中小企業でも同じで、金融機関に出す決算書と税務署に出す決算書の数字が違えば、粉飾や脱税を疑われ、融資を断られたり、追徴課税を受けたりするおそれがあります。帳簿を一つに保つことは、会社の信用を守る基本でもあります。外部の人が決算書の数字を照らし合わせることもあるので、どの書類を見ても同じ記録にたどり着けるようにしておくことが大切です。これが信頼される決算書の出発点です。
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日本の会計の基本的な考え方をまとめたルールで1949年に公表。真実性・継続性・保守主義など7つの一般原則を含み、今も会計基準の土台にある。
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