「催告の抗弁権」とは
催告の抗弁権は、債権者から支払いを求められた保証人が「まず主たる債務者に請求してほしい」と主張できる権利である。民法第452条に定めがあり、通常の保証人には認められるが、連帯保証人には認められない。
📌 投資判断のポイント
支払いを求められた保証人が、まず主たる債務者に請求するよう主張できる権利。民法第452条に定めがあり、連帯保証人には認められない。
催告の抗弁権はどういう仕組み?
保証人は本来、主たる債務者が払わないときに代わって払う立場にある。そのため、債権者がいきなり保証人に請求してきた場合、保証人は先に主たる債務者へ催告するよう求められる。ただし主たる債務者が破産手続開始の決定を受けたときや、行方がわからないときは、この主張はできない。
民法第454条は、保証人が主たる債務者と連帯して債務を負担したときは、催告の抗弁権と検索の抗弁権を持たないと定めている。実務の保証契約はほとんどが連帯保証であり、保証人はこの権利を持たないのが一般的である。
この権利は、保証人を主たる債務者より後ろに置くための仕組みである。ただし債権者が主たる債務者に催告した後であれば、保証人は再び請求を拒めない。支払いを免れる権利ではなく、請求の順番を整える権利にとどまる点に注意したい。
催告の抗弁権の具体例と注意点は?
子どもの借入れ100万円を親が保証した場合、通常の保証なら親は「まず子に請求してほしい」と言えるが、連帯保証なら債権者は最初から親に100万円を請求できる。契約書に「連帯して」「連帯保証人」とあれば、この権利はないと考えてよい。
賃貸住宅の保証人欄や、奨学金、事業資金の保証書でも「連帯保証人」と書かれていることが多い。署名する前に、保証の種類と金額の上限を読み、家族と共有しておくと後のトラブルを避けやすい。
検索の抗弁権との違い
催告の抗弁権は「まず請求してほしい」という順序の主張で、請求さえ済めば効果はなくなる。検索の抗弁権は「主たる債務者に払える財産があるので先に差し押さえてほしい」という主張で、強制執行の順序にまで踏み込む点が異なる。どちらも連帯保証人にはない。
つまり、実務で保証人を頼まれたときに「催告の抗弁権があるから大丈夫」と考えるのは危うい。自分が負う可能性のある最大額を契約書から読み取り、払えない額なら断ることも選択肢に入れたい。
出典: e-Gov法令検索「民法」
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