「実現主義」とは
実現主義とは、売上(収益)を帳簿に計上するタイミングについての考え方で、商品を引き渡したりサービスを提供したりして、その対価を受け取る権利が確実になった時点で売上として記録するというものです。
📌 投資判断のポイント
商品を引き渡すなどして対価を受け取る権利が確実になった時点で売上を計上する考え方。注文を受けた時点や入金時ではなく、引き渡した時点で記録する点がポイント。
実現主義はどういう仕組み?
会計では、費用は発生したときに計上する「発生主義」が基本ですが、売上については慎重に扱います。注文を受けただけ、商品を作っただけの段階では、本当に売れるか、代金を回収できるかが確かではないからです。そこで、商品を相手に渡し、代わりに現金や売掛金といった対価を得た時点で、売上が「実現した」として計上します。これにより、まだ確定していない利益を先取りして計上することを防ぎます。日本の伝統的な企業会計の考え方で、現在は「収益認識に関する会計基準」によって、より詳しいルールが定められています。
実現主義の具体例と注意点は?
例えば、3月25日に注文を受け、4月2日に商品10万円を出荷して引き渡し、代金を5月末に受け取る取引を考えます。実現主義では、注文を受けた3月ではなく、商品を引き渡した4月に10万円の売上を計上します。代金をもらうのは5月末ですが、4月の時点で売掛金という対価を受け取る権利が確定しているからです。決算日が3月31日の会社なら、この売上は翌期のものになります。
現金主義・発生主義との違い
現金主義は、現金を受け取ったとき・支払ったときに収益や費用を記録する方法で、家計簿に近い考え方です。発生主義は、お金の出入りに関係なく、経済的な出来事が起きたときに記録する方法です。実現主義は、発生主義の中で特に収益について、確実性を重視してタイミングを決めるための考え方です。この違いがあるため、売上が立っていても現金がまだ入っていないという状態が生まれます。
決算書を読むときの意味
売上の計上時期を早める操作は、粉飾決算でよく使われる手口です。売上が増えているのに売掛金が売上以上のペースで増えている会社は、計上のタイミングに無理がないか注意して見る価値があります。
身近な例で考える
例えば、年間契約の英会話教室が1月に12万円を一括で受け取ったとします。お金は1月に入りますが、レッスンはまだ提供していません。そのため、受け取った12万円をすぐに全額売上にはせず、毎月のレッスンを提供するたびに1万円ずつ売上にしていきます。お金を受け取った時点と、売上として数える時点がずれるのは、この考え方によるものです。
関連用語
現金の受け払いではなく、取引や価値の消費が起きた時点で収益・費用を記録する企業会計の基本ルール。期間の成果を正しく測れる反面、利益と現金の動きがずれる。
お金を受け取った時に収入、支払った時に費用を記録する考え方で、家計簿と同じ仕組み。会社の会計は発生主義が原則で、所得税には小規模な青色申告者向けの特例がある。
売上をいつ、いくら計上するかを五つの手順で判断する会計基準です。代理人取引が純額表示になった影響で、利益が変わらないまま売上高だけ減る会社があります。
利益を良く見せるために決算書の数字をゆがめる行為。利益は増えても現金は増えないため、利益と営業キャッシュフローの差が広がり続ける会社には注意したい。
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