「現金主義」とは
お金を実際に受け取った時に収入を、実際に支払った時に費用を記録する考え方。お小遣い帳や家計簿と同じ記録の仕方である。
📌 投資判断のポイント
お金を受け取った時に収入、支払った時に費用を記録する考え方で、家計簿と同じ仕組み。会社の会計は発生主義が原則で、所得税には小規模な青色申告者向けの特例がある。
現金主義はどういう仕組み?
会社の会計は、商品を渡した時やサービスを提供した時に売上を記録する発生主義が原則である。これに対して現金主義は、代金の受け払いが起きた時点だけを記録するので、仕組みが簡単で手元のお金の動きと記録が一致する。一方で、掛け売りや後払いの取引が多いと、その期間にどれだけ稼いだかが正しく表れない。日本の所得税では、青色申告をしている小規模事業者(前々年の不動産所得と事業所得の合計が300万円以下)が届出をすれば、現金主義で所得を計算できる特例がある。
現金主義の具体例と注意点は?
12月に10万円分の仕事を納め、代金が翌年1月に振り込まれたとする。発生主義ではこの10万円は12月の年の売上になるが、現金主義では入金のあった翌年の売上になる。現金主義の特例を使うと、青色申告特別控除は最高10万円となり、55万円や65万円の控除は受けられない点に注意が必要である。
発生主義との違い
発生主義は「いつ稼いだか」、現金主義は「いつお金が動いたか」を記録する。利益が出ているのに手元のお金が足りなくなる黒字倒産は、この2つのずれから起きる。そのため会社では、発生主義の損益計算書で稼ぐ力を見て、キャッシュフロー計算書でお金の動きを別に確かめる。
誰が使うのに向いているか
現金主義は、掛けの取引が少なく、商品の在庫もほとんど持たない小規模な事業に向いている。たとえば現金払いの客が中心の小さな教室や、報酬の振込が仕事の完了後すぐにある個人の仕事などである。反対に、取引先への請求から入金まで2か月かかるような事業では、年末をまたぐ請求の扱いで年ごとの所得が大きくぶれやすい。特例を使うには、青色申告の承認と、現金主義による旨の届出書を所定の期限までに出す必要があり、要件を満たさなくなった年からは通常の計算に戻る。
なお、白色申告の事業者や業務に関する雑所得にも、前々年の収入金額が一定以下の場合に現金主義に近い計算を認める別の取扱いがあり、青色申告の特例とは要件が異なる。どちらを使えるかは国税庁の案内や税務署で確かめたい。会社(法人)の決算は発生主義で作るのが前提で、法人税の計算に現金主義の特例はない。
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